鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活6巻4号

すこやか生活

気管支喘息とは?

 気管支喘息は、発作性にピーピーゼイゼイする呼吸困難を繰り返す疾患で、この呼吸困難は可逆性である。そして、気道の粘膜、筋層の可逆性の狭窄病変と持続性の炎症を伴うものとされています。これでは「何のこっちゃ?」と、いう声が出そうなのでもう少しかみ砕いた表現を表にまとめます。これでもまだ、ピンとこない方も多いのではないでしょうか?かく言う私も患者さんに「私は喘息ですか?」と、問いつめられると答えに窮することがしばしばあります。"胃カメラで胃ガンが見えた。""痰を調べたら肺ガンだった。""血圧が168/102mmHgなので高血圧と言われた。"また、"空腹時の血糖値が150なので糖尿病と診断された。"と、いった病気の診断と違い、気管支喘息の診断は医師の主観が入るので、必ずしも

カチッと決まったものでなくとても曖昧です。このため若い頃はこの患者さんを気管支喘息と診断してしまって良いのか本当に迷いました。今でも喘息と診断するとがっかりされる方がいるので、診断名を伝えるときはとても勇気がいります。
 さて、このような喘息ですが、アレルギー性のもの、風邪など感染が原因であるもの、これらが混じったもの、ストレスや運動が引き金になるものなどがあり、原因も一様ではありません。季節により悪化するものや、一年中具合の悪いものもあります。このように喘息は人それぞれで、状態や程度にも差があり、こんなような病気を喘息と呼ぶんですよといった漠然とした理解の仕方が正しく、余り厳密に考えすぎないことが喘息とつきあうために大切だと思います。






気管支喘息のわかりやすい定義
1)普段は何でもないのに急にピーピー  
 ゼイゼイする息苦しさや咳のでる病気。
2)この咳や呼吸困難は、自然に治ったり
 治療で改善する。
3)気管支の裏打ちする粘膜が腫れぼった
 くなり、その周囲を螺旋状に取り巻く筋
 肉が収縮して、空気の通り道が狭くなっ
 ている。
4)腫れぼったい粘膜を顕微鏡で見るとい
 つも炎症が見られる。

気管支喘息とは? | 咳喘息とアトピー咳嗽 |
もう一つの痰、後鼻漏 | ピークフローと喘息治療