全身性エリテマトーデス(SLE)

 免疫異常が原因で起こる、膠原病の代表で、皮膚、関節、全身の臓器に多彩な障害をきたします。男女比は1:10で20〜40歳代に多く特定疾患(難病)に指定されています。
症状)
 両頬が赤くなる
蝶形紅斑と呼ばれる皮疹が特徴です。円形の紅斑口の中の潰瘍、太陽光線に対する過敏反応などの皮膚症もでます。内臓ではループス腎炎と呼ばれる腎障害が起こり、蛋白が尿へと漏れるネフローゼへと進みます。心臓や肺を包む膜に炎症が起こり、膜内に水が溜まります。てんかん様の痙攣が起きたり、うつや妄想などの精神神経症状が出ることもあります。リウマチほどではありませんが、関節の痛みも起こります。
血液検査)
 主に自己免疫異常が起こっていることを示す反応が出ます。抗二本鎖DNA抗体、抗Sm抗体や抗リン脂質抗体が出ることがあります。もっとも有名なのは

核抗体です。溶血性貧血による赤血球の減少、白血球やリンパ球、血小板の減少など血液の異常もよく見られます。
診断)
 症状と血液検査の下線部11項目中、4項目以上あれば診断されます。診断の基準には入っていませんが、指先が白く冷たくなるレイノー症状、原因不明の発熱や倦怠感、食欲不振、体重減少という全身の消耗を示す症状もよく見られます。
治療)
 よくなったり悪くなったりしながら、以前は10年で3割も亡くなっていました。治療が進んだ現在では、10%未満の死亡率です。治療の中心はステロイドと免疫抑制剤です。これらによって腎障害を防ぐことが鍵です。特殊な病気ですので専門家の管理下での充分な観察が必要です。
 日常的には、過労や感染に注意し直射日光に当たらないことが大切です。






膠原病とは? |
全身性エリテマトーデス 自己免疫疾患と免疫学的寛容 |
全身性強皮症  レイノー現象 |
多発性筋炎・皮膚筋炎 その他の膠原病