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膠原病とは?

 化粧品や健康食品の宣伝でコラーゲンという言葉を聞いたことがあると思います。このコラーゲンこそが"膠原"の正体です。コラーゲンは正しくは膠原線維と呼ばれます。皮膚と筋肉の間など、臓器と臓器の間や臓器内の隙間を埋めるものを結合織と呼びます。この結合織の代表的な物質がコラーゲン線維というタンパク質の糸屑のようなモノです。結合織と呼ばれる隙間は全身いたるところにあります。この隙間に起こる病気のうち自己免疫の異常が原因である病気を膠原病と呼びます。
 膠原病は、主に結合織の多い皮膚や関節、筋肉など、身体の運動に関わる部位に起こることが多く、広い意味でのリウマチに含まれる病気が中心です。しかし、隙間は内臓にもあるため、肺の隙間である間質、心臓筋肉の隙間、腎糸球体の隙間、唾液腺の隙

間、血管の隙間など、様々な隙間に炎症を起こすのも膠原病の特徴です。これが膠原病による間質性肺炎、心筋炎、慢性腎炎、唾液腺炎、血管炎で、全身の臓器に炎症がおきます。
 膠原病の位置づけを図に示しました。結合織の病気で、リウマチ様の運動器の炎症を伴うことが多く、しかも原因として自己免疫の関与が考えられているというわけです。
 膠原病と一括して呼ばれることも多いのですが、症状の出る部位の組み合わせなどによって全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ(RA)、強皮症、多発性筋炎(皮膚筋炎)、シェーグレン症候群、結節性多発動脈炎、リウマチ熱などに分かれています。今回は、リウマチを除く病気について解説します。






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