心因性熱、詐熱

心因性熱 人だけではなく、多くの動物も環境などのストレスで熱が出ることが確認されています。大人では希ですが、小児や思春期のお子さんなどで時々見られます。@実際に体温計で測って熱がありA熱を出す他の病気が何も見あたらずB話を聞くと心に様々なストレスがかかっているような場合です。
 心因性熱では、血液検査に異常が無く、一般の消炎鎮痛剤(NSAIDs)の効果が不良です。そして、手に汗をかいていたり、眠れなかったり、うつ的だったりと精神的な症状が隠れています。そして何よりも熱の割に重症感が乏しいのが特徴です。

 治療は、抗うつ剤など向精神病薬が有効です。
詐熱 もともと熱がない患者さんが、熱が出ているような状況を作ることです。体温計を温めたり、実際より高い熱を申告したり、熱を上げる可能性のある薬を飲んだり、体に異物を注入し熱が出るように仕組むなどといった行為で、周囲を混乱に陥れます。これには、診断書を書いてもらうなど自分の利益を得るために偽りの行為を行う"詐病"と、単に周囲の目をひくためにこれらの行為を行う、"虚偽性障害"という精神病の1種があります。前者は単に、反社会的行為を行っているだけですが、後者は精神科医にきちんと診てもらう必要のある状態です。






熱性痙攣
 38℃以上で起こす、子供の引きつけです。脳の神経細胞の絶縁が不充分で電気的にショートを起こし痙攣につながります。小さいお子さんの7%ほどがこれを経験しますので普通は心配いりません。長く続くもの、繰り返すもの、意識消失時間が長い場合、6ヶ月以内と幼少時や小学入学後など大きいお子さんの初発は要注意です。日本では抗てんかん薬のダイアップ座薬がよく使用されますが、他国ではあまり使われません。このため最近は座薬は親御さんのための精神安定剤と批判されることもあります。

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