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発熱とは普段と比べて高い熱が出た時を言います。従って普段の熱を知っておかなければ語ることはできません。このため普段の熱を時々測っておき、自分の調子を知っておくことも大切です。
一般的な感覚では37℃台は微熱、38℃台は中等度の発熱、そして39℃以上が高熱といった感じです。
熱が出るしくみを図示しました。仮にインフルエンザウイルスに感染したと考えます。するとリンパ球などの免疫担当細胞が出てきてウイルスと戦います。そのウイルスを殺す武器であるインターフェロンなどが免疫担当細胞から放出されます。このインターフェロンなどは局所ではウイルスを殺す働きをしますが、一部は血液に乗って脳へ運ばれます。これが第三脳室前腹にある終版器官の細胞に作用して、プロスタグランディンE2(PGE2)等が作られます。このPGE2が視床下部にある体温調節中枢に作用します。すると、体温を1℃上げましょうと、設定温度が上がります。設定温度が上がると、この情報が手足の筋肉など末梢に伝わり、体温を上げるよう全身がいっせい震えて熱を発生します。これが発熱の前の
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寒気です。
以上、体温は局所の炎症によって直接上がるのではなく、局所の炎症を脳が感知し、体温の設定温度を上げることで体温上昇が引き起こされるのです。
アセトアミノフェン、バファリン、ロキソニンなどNSAIDといわれる消炎鎮痛解熱剤は、プロスタグランディンE2の生成を抑制するため体温調節中枢の体温設定温度が高止まりせず、体温が下がります。
以上、体温上昇は体だけの問題ではなく、脳の体温調節中枢の設定温度がどのように設定されるかによって決まります。まるで、リモコンでエアコンの設定温度を変えるかのごとくです。寒波(外因性発熱物質)が襲来し、朝起きてみると室温が1℃になっていたAさん宅。Aさん(免疫担当細胞)は布団の中からリモコンを取りだし赤外線(内因性発熱物質)をピピッ。これを感知したエアコン側のマイコン(体温調節中枢)が室外機(全身)へ指令を出し室温(体温)を上げた。我が家でも朝の日常風景となっているこんな様子をイメージして下さい。
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