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ビオチン 皮膚に大切なビタミンです。不足すると、皮膚表面がポロポロ剥がれてきたり、ジクジクしてきたりアトピー性皮膚炎に似た症状を示します。ビオチンはアトピー様の皮膚炎の他、脂漏性湿疹や手のひらに水ぶくれができる掌せき膿疱症に対しても有効なこともあります。 葉酸 アミノ酸の代謝や、細胞の核、遺伝子の材料である核酸の合成に大切なビタミンです。摂取不足に陥ることはまれですが、腸の病気などで十分吸収できなかったり、ある種の抗ガン剤や抗けいれん剤などによって葉酸の利用が妨げられると、葉酸不足による貧血になります。B12欠乏と同様な「巨赤芽球性貧血」です。
ビタミンC(アスコルビン酸) 柑橘類など、果物や、新鮮な野菜にたくさん含まれるおなじみのビタミンです。ビタミンCは、体のタンパク質の1/3を占めるといわれるコラーゲンの合成と保持に必要な物質です。不足すると、血管が脆くなる壊血病になるといわれていますが、この病気はもはや死語です。日光に当たると皮膚はメラニンという褐色の色素を作るため、色が黒くなったりシミやソバカスができます。ビタミンCはメラニンが作られる途中を邪魔するので、これらの皮膚の着色を押さえることが知られています。
脂溶性ビタミン
ビタミンA(レチノール、β-カロチン) 不足すると、鳥目(夜盲症)になることで有名ですが、日本でビタミンAの不足や過剰を見ることはまずありません。ニンジンなどにたくさん含まれていることもよく知られています。発展途上国で穀物だけ食べる食生活をしていると不足して、感染症や下痢を起こしやすくなります。これらの国の乳児死亡の約半数に関係しています。
ちます。 ビタミンDは植物にはほとんど含まれず、バター、牛乳、卵、レバー、魚など動物性食品に多く含まれています。これらの食品を全く摂らなかった時代は、くる病とか骨軟化症などという骨の病気の原因とされていました。近年、これらの病気を見ることはほとんどありませんが、不足によって骨粗鬆症となり、骨折しやすくなる例は時々見られます。ビタミンE(α-トコフェロール) 穀物や植物油に多く含まれます。食物油が酸化で傷むのを防ぎます。(酸化変性の予防)。このため人体内でも酸化の予防により動脈硬化を防ぐ可能性があると考えられています。ただ、1日必要量の100倍も摂らなければ効果がないため、実生活での有効性は疑問です。ビタミンK 納豆やホウレン草など緑色野菜に多く含まれます。血液を固めるタンパク質合成に必要なので、間接的に出血を止める働きをしています。骨の蛋白質を固め強固にするため、骨密度は増えませんが骨の強化にも大切なビタミンです。
ビタミンD 体内で骨の材料や塩分としてのカルシウムの取り扱いをしているビタミンです。カルシウムの小腸での吸収、腎臓での排泄、再吸収、骨での出入りによる骨の強化とカルシウム量の調節を行っています。摂取したビタミンDは腎臓でより働きの強いビタミンDに改良されます。このため腎臓の働きが衰えた腎不全では、ビタミンD不足が目立