|
|
|
|
|
|
ビタミンB1(サイアミン、チアミン) ブドウ糖などのエネルギーを利用するときに必要なビタミンです。不足すると体中に乳酸が溜まりやすくなります。 「脚気」と呼ばれる末梢神経の炎症も招きます。手足のしびれや灼熱感、感覚が鈍くなったりします。悪化すると、立てなくなったり歩けなくなったりなど、運動神経のマヒもでます。脚気では、動悸や、胸の圧迫感、血圧の低下、そして浮腫なども併発しますが、現在ではまず見ることはありません。 慢性アルコール中毒のため、酒だけ飲んで食事を取らない人に発症するウェルニッケ脳症も有名です。意識が薄れたり、目の動きが悪くなったり、千鳥足になり、長引くと記憶力まで低下して認知症のようになることもあります。近年では、ひどいつわりによるおう吐や食事摂取不良がビタミンB1不足になり、ウェルニッケ脳症を起こすことが注目されています。治療はビタミンB1の補給ですが、記憶力低下などの後遺症を残す場合もあります。 米ぬかなど穀物の胚芽、落花生、イモ類、豚肉などに多く含まれます。
ビタミンB2(リボフラビン) タンパク質系の食物である、牛乳、卵、肉やレバーに多く含まれます。炭水化物以外をあまり食べなかった貧しかった時代には不足がちでした。皮膚のビタミンと呼ばれ、脂漏性湿疹、口内炎、口角炎、舌炎など粘膜や皮膚の異常をきたします。B2は、B6や葉酸の働きを助けます。このため、B2の欠乏は、これらのビタミンの欠乏症へとつながります。
ビタミンB6(ピリドキシン) アミノ酸の合成や分解や神経の伝導に関与しています。あらゆる食物に含まれているので、不足することはまれです。B6が欠乏すると、口の周りの湿疹や舌炎を起こしたり、末梢神経障害をきたすことがあります。結核の代表的な治療薬であるイソニアジド(INH)の副作用として見られる手足のしびれなどが、B6欠乏で起こる神経症状です。通常、B6などのビタミン剤の服用で治ります。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ビタミンB12(コバラミン) 不足すると、赤血球が大きくなって数が減る、「巨赤芽球性貧血」になります。悪性貧血ともいわれ、言葉の由来は胃ガンなどにともなっていたからです。B12は、胃から分泌される内因子と呼ばれる物質と結合し、小腸で吸収されます。このため胃の粘膜が薄っぺらくなり内因子の分泌が減る萎縮性胃炎や、胃ガンで胃を切除すると、内因子不足となりB12が充分吸収できず、「巨赤芽球性貧血」になります。腸の病気でB12を吸収できないこともあります。アルコール中毒患者など、お酒ばっかり飲んでいて食生活が乱れている人もよく、B12不足で「巨赤芽球性貧血」になります。血液検査で赤血球の大きさを示すMCVが110(正常は85〜100)と異常値を示します。このようにMCVはお酒をたくさん飲んでいる人や、飲んでいるのに飲んでいないというウソをあぶり出す検査法でもあります。 アルコールを止めて普通の食生活をすれば改善しますが、胃を切って無い人はいくらビタミン剤を飲んでも吸収できません。定期的なB12の注射が必要です。
ナイアシン(ニコチン酸 B3) タバコのニコチンと形は似ていますが別物です。トリプトファンというアミノ酸から作られるので肉や魚などのタンパク質を食べていれば通常不足しません。 菜食主義やアルコール中毒で食事のバランスが崩れたり絶食に近いダイエットを行うと、「ペラグラ」と呼ばれる皮膚症状や神経衰弱を主な症状とする病気になることがあります。 なお、ニコチン酸アミドは、類天疱瘡の治療薬として抗生物質のテトラサイクリンとともに使うと効果があることがわかってきました。軽症な方を中心に、ステロイド治療に先立って使われることが多くなりました。
パントテン酸(B5) 多くの食物に含まれるため不足が問題になることはほとんどありません。
(3 ページに続く)
|
|
|
|
|