インフルエンザのA型とB型はどう違うの?
 どちらもRNAという遺伝子を持つウイルスで似たような構造をしており、ウイルス粒子の表面にあるタンパク質が少し異なるだけです。ただ、このちょっとしたタンパク質の違いで予防注射や治療薬の効果が異なるため、全く別のウイルスとして取り扱われます。このため一冬に、A型に罹った後、再度B型に罹ることもあります。もちろんA型インフルエンザも単一ではありませんので二回罹ることもありえます。実はC型インフルエンザというものもありますが、これは病原性が弱いので話題に上りません。

どんなときインフルエンザを疑うの?
 まずは、時期で12月〜3月の間で、高い熱や頭痛、関節痛などを伴う強い感冒様症状が特徴です。具体的には昨晩から何となく喉が痛くクシャミが出ていたので風邪かなと思って早めに寝たら翌朝、38.8℃の高熱と節々の痛み、頭痛で起きられず会社を休んだなどというのか典型例です。また、学校や職場などで流行っているというのも大切な判断材料ですので、シーズンに入ったら周りの状況に注意を払ってください。確定診断は鼻腔粘液を調べる検査です。






インフルエンザの予防Q&A

予防接種はいつ頃うつの?
 ワクチンの効果はおよそ半年程度と言われています。この大まかな見解は一般の薬と違って血液中の有効な抗体濃度を測ることができないことや、ワクチンによる免疫力獲得の個人差があるためです。例年10月よりそのシーズン用のワクチンが出回りますので、その後ならいつ接種しても大丈夫です。但し、ワクチンの効果が出てくるまで2週間程度はかかるので、流行が始まる少し前にしておくことが大切です。例年1月から流行期に入りますが、早い年は12月上旬に出始めるので、11月末までに終わられておくのが良いと思います。
予防接種は何回するの?
 人の体は過去に罹ったインフルエンザやワクチンのタンパク質を免疫として記憶します。インフルエンザに罹った経験や予防接種の記憶がまだ残っていると、次に罹ったり予防接種をしたとき素早く思い出がよみがえり、より強い免疫力が付きます。インフルエンザウイルスは年によって少しずつ形を変えますが根本は変わらないので、経験豊富な大人ほど免疫の記憶を持っています。従って若い

人ほど複数回ワクチンをうって、経験を積み重ねなければなりません。現在一般的な考え方は、12歳以下は2回、それより上はそれなりの経験があるだろうと見なされて、1回接種が普通です。
マスクは有効ですか?
 インフルエンザに罹っている人のクシャミや咳にはインフルエンザウイルスを含んだ飛沫と呼ばれる水滴が無数含まれます。これは直径5μm以上の比較的大きな粒子で約1〜2mほど飛ぶと言われています。飛沫は重いのですぐ床に落下しますが、これが主な感染の元と考えられています。感染症用のマスクや手術用のマスクは飛沫のほとんどを捕まえることができます。このため、患っている方、看護するご家族双方がマスクをしていれば概ね感染の予防は可能と考えられています。しかし、飛沫の水分が蒸発したウイルスだけの粒子(飛沫核)は小型でマスクを通る可能性があり、部屋の空中に長く浮遊してとどまるため、時々窓を開けて空気を入れ換えウイルス粒子を追い出したり、湿度を上げたり温かくして、ウイルスに都合の悪い環境にすることも大切です。

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