貧血と食事

 レバー・大豆・獣肉・黒豆・小麦・とうもろこし・卵・魚肉・ほうれん草・レタス・のり・ひじきなどは、鉄分を多く含みます。またビタミンB12は、アサリ・カキ・レバー・しじみ・にしん・筋子・サンマ・卵・鮭・鱈・葉酸・レバー・卵・牛乳・ほうれん草・せり・バナナ・胚芽に多く含まれているので、これらを普段から摂るようにしていれば、貧血対策は充分ですと言いたいのですが、必ずしもうまくいきません。それは、まず第一に、日本人の食事は既に充分栄養過多になっており、よほどの偏食でない限りこれらの食材を豊富に摂っているはずだからです。また、栄養不足の正体は、栄養の経口摂取が不足しているのではなく、充分口には入っているのに、うまく吸収されないパターンが多いからです。例えば、癌などで胃を切った場合を考えます。胃酸は食物などの鉄分

をイオン化して吸収しやすくします。また、胃で作られる内因子がないとビタミンB12は体内へ吸収できません。胃を取ると自然な吸収過程が損なわれるので、これらの栄養素を多量に含む食品を食べても、充分量が体内に取り込まれなくなるのです。また、小腸の炎症で、これらの物質が吸収できない場合もあります。そして、コレステロールを多く含む食材が多いため、高コレステロール血症で食事療法中の方には善し悪しになることも。なお、鉄欠乏でも月経過多など出血が主な原因となっている方はタンパク質も不足するため、タンパク質の多い食材中心の食品をたっぷり食べると、貧血の治療としては一石二鳥です。従って、貧血がわかったら、鉄の多い食品に突進するのでなく、自分が今どんな原因で貧血になったか確認し、今後の治療方針を立てなければなりません。






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