キノコ類は免疫を本当に強めるのか

 ガンに罹った方ではよく様々なキノコ類やその成分の入った健康食品を摂っている方がおられます。またガンの予防になると信じて飲んでいる方もよく見かけます。代表的なところでは、アガリクス、マイタケ、霊芝、メシマコブなどです。これらは人の体で消化吸収できない多糖類のグルカン成分がリンパ球を刺激して、抗腫瘍効果のあるγ-インターフェロンやインターロイキンと言った物質を生産させると考えられています。実際医療用でも、20年以上前からクレスチン(カワラタケ由来)、レンチナン(椎茸由来)と呼ばれるキノコ由来の物質が、健康保険で使える副作用の少ない抗ガン剤として利用されてきました。しかし、副作用は乏しいものの効果もほとんどなかっ

たため、現在では使われることの稀な薬品になっています。つまり、医療用ではすでに一巡して抗ガン剤として不合格になったものの仲間なのです。
 
確かに実験レベルでは免疫を高めたりする可能性があるのだと思いますが、実際の人体で実験と同じ事が起こるとは限らないのです。このあたりは、他の健康食品や開発途中の薬物ではよく見られることなので、信じている方の夢を壊すのは忍びないのですが、新たにこういったものを試そうかと思っている方は、お金を払う前に本当に有効なのかよくお確かめになることをお勧めします。"驚異のXXX効果!""○○が本当に治った!"という、広告を鵜呑みにすることなく。






針灸治療とカイロなど

 鍼灸、カイロ、マッサージ、柔道整復などは、主に間接、筋肉、骨と言ったボディの部分の治療です。伝統的なものから、比較的最近のものまで様々ですが、これらの体の痛みは薬や手術などの近代医学で解決できないことも多く、ペインクリニックなど鍼灸の考え方を取り入れた西洋医学の治療もあるなど医療と代替医療の接点の多い分野です。このため、伝統医療といえども内科の分野の代替医療と比較すると、経験知や理論などが近代医療の解剖学(体の構造)に照らし合わせて合理的で納得のいくものも多いように感じます。実際、医療の分野でリハビリと言われている治療も似たような手技と治療効果になっており、どちらが本当に良いのかわからない場合もありま

す。合わせて、高齢化社会になって、体のあちこちに痛みを感じる方が増え、いろいろな治療をしてみたが治らないと言われる方の話をよく聞きます。こういった場合は、近代医療にとらわれる必要はないのでいろいろと試してみるのがよいとお話をしています。もちろん、本物のリウマチなど近代医学の方が明らかなアドバンテージがある場合は別ですが、アドバンテージがあるかどうかわからなければ、できることを体験し、その中で本当に有効と思われることをご自分で選ぶに越したことはありません。なお、これらは治療の体系こそ異なりますが、将来、治療効果に至る過程をきちんと近代医療で説明できる日が来ると思います。

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