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治療
在宅酸素療法--大気中に約20%ある酸素では不十分なのが呼吸不全です。そこで少し酸素濃度の濃い空気を吸えばよいわけです。以前は病院でしか吸うことのできなかった酸素も、現在は膜の技術進歩によって、大気中の酸素を濃縮する装置が発明され、この10数年自宅で酸素を吸入される方が増えました。また、携帯用の小型ボンベも普及し、町中で酸素を吸っている方をよく見かけるようになりました。酸素は体を動かすときこそ必要な物。携帯ボンベは肺や心臓が悪い方の外出のお供として欠くことのできない物になっています。

換気の改善---こちらは主に喘息の治療と同じ考え方です。喘息に限らず、肺気腫その他、気道が狭くなり換気がうまくいかない場合は、気管支拡張剤(ユニフィル、テオドール、ホクナリンテープなど)やフルタイドなどの吸入ステロイド、そして痰きりなどの気道に優しい薬を使って、換気量を増やします。
禁煙---呼吸が苦しいのにタバコを止められないのは自殺行為です。是非キッパリと禁煙して下さい。
予防注射---呼吸不全のある方、肺に余裕の無い方は、肺炎やインフルエンザに罹るとひとたまりもありません。肺炎球菌ワクチンや、インフルエンザの予防注射は是非受けておかれるべきでしょう。






腎不全

 様々な腎疾患の最終局面です。以前は慢性腎炎から腎不全になる方が多かったのですが、最近は糖尿病の治療が不十分で、透析になる方が増えてきました。腎機能とは、@解毒A水と塩分(電解質とも言う。)の調節B腎関連のホルモンの分泌や調節をさします。@が破綻すると毒物が溜まります。言葉が古くなりますが尿毒症になります。そしてAが破綻すると、尿が出ず体に水分が溜まりむくみや心不全の原因になります。また、カリウムが溜まると心臓が止まってしまうこともあります。Bではエリスロポエチンという赤血球を造るのに必要なホルモンの分泌が減って、貧血になります。レニン アンジオテンシン アルドステロン系が不必要に活性化されると、血圧が上がったりカリウムが増加します。これらは降圧剤などの内服薬で対処します。

検査:血液検査のクレアチニンが2mg/dl以上であれば腎不全と診断できます。
治療腎臓を良くする治療はほとんど見あたりません。そこで透析が基本です。
人工透析---循環している血液を濾過して、毒性の高い尿毒素やカリウム、体に溜まったお水などを取り除きます。
食事療法---減塩食が基本です。タンパク制限、カリウムの制限も病気の原因や状況によって必要です。透析をやっている方は生野菜を避けるなどカリウムの少ない食事を心がけましょう。
貧血の治療--腎臓で作られなくなったエリスロポエチンを注射で補います。
血圧のコントロール--腎臓に優しく、人工透析までの時間を先延ばしすると言われている、ACE阻害剤(レニベースなど)やAT-II受容体拮抗剤(ブロプレスなど)がよく使われます。

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