すこやか生活

高血圧と日常生活

 高血圧は先天的な要素だけでなく、日常生活における環境要因の大きい病気として知られています。平たく言うと、親も高血圧だったから私も高血圧になったと言うより、塩分の摂りすぎ太りすぎが原因だということです。いくつかの後天的な原因を挙げてみましょう。
@塩分の摂りすぎ
A太りすぎ
B運動不足
C野菜不足でカリウムが足らない場合

Dコレステロールの摂りすぎ
Eアルコールの飲み過ぎ
Fタバコの吸いすぎ
 ちょっと考えるだけでも、これだけ思いつきます。つまりこれらを解消すると血圧が下がる可能性があるわけです。今回は、高血圧に関係する日常生活の問題点と解決法を整理します。皆さんご自分の生活を見直し、少しでも薬を減らすことができるよう頑張ってください。






減塩食を考える

 人類100万年の大半を占める石器時代では、1日0.5〜3gしか人は食塩を摂っていませんでした。人のDNAには低塩で生活する体の仕組みが刻み込まれているため、近年の食生活における塩分の摂りすぎを処理できず、高血圧につながっています。実際、石器時代に近い生活をしていて食塩の摂取量が極めて少ないアマゾンの原住民やチンパンジーは、歳をとっても血圧が上がらないと言われています。逆にチンパンジーに食塩を食べさせると、その量に応じて血圧が上がったという報告もあります。一般に欧米人では約8〜9g/日、日本人では12g/日前後の食塩を摂っています。アメリカでは3.8g以下の食塩量が望ましいと言われ始めましたが、食塩摂取量の多い日本では現実的ではありません。減塩中の日本人

の食塩摂取量の平均が9.4g/日と高い水準にあったことも減塩食の難しさを反映しています。日本のガイドラインでは、6g/日以下の食塩量が望ましいと推奨されています。この値も食塩を半減するわけですので、達成するのは極めて困難ですが、少しでも近づけるよう努力して下さい。
 なお、減塩食を考えるに当たって
加工食品やスナック菓子の塩分表示が食塩量でなくナトリウム量(Na)になっていることに気をつけてください。食塩(NaCl)は、原子量23のナトリウムと35.5の塩素(Cl)でできているため、仮にNa量が1gと書かれていても実際の食塩量は2.54倍して2.54gも入っていることになりますのでくれぐれも表示にだまされないようご注意願います。

高血圧と日常生活 減塩食
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