すこやか生活

むくんでいませんか?

 「最近足が重くなり歩きにくい。」、「このところ足が冷たくなり眠れない。」こんな訴えをされる方によくむくみ(浮腫)が見られます。むくみは様々な原因があり、その仕組みは後ほど触れますが、ただ腫れぼったいだけだから大したことはないと思ったら大間違いです。むくみは一般に皮膚の下に水が溜まった状態をさします。つまり、むくむという事は体の水のコントロールがうまくできなくなっている事です。人の体の約60%は、水でできています。その水の2/3が細胞内にあり、残りの1/3が細胞の外にあります。体重の20%に及ぶ細胞外の水のうち1/4が血液として、残りの3/4が間質と呼ばれる細胞と細胞の間にありま

す。間質の水分は間質液と呼ばれ、体重の15%に相当します。むくみは、この間質液が増える事を意味し、体重の15%に及ぶ水分がコントロール不能になっているのです。むくみは自覚症状としては大したことがないため、安易に考えがちですが、体に大きな変調をきたしているサインです。むくみのある方は一人で悩まず、是非その状況を周りに訴え見てもらって下さい。なお、むくみと、単に太っているのを見分けるためには、腫れた部分を親指の腹で押してみましょう。ベコッとへこみすぐに戻らないときはむくんでいます。靴下の跡が大きく付く場合もむくんでいる可能性大です。






押したへこみは、すぐに元へ戻らない。

むくみ(浮腫)の仕組み

 むくみは細胞外の水、特に間質液が増え過ぎたアンバランスな状態と書きましたが、まずは手足の先での水分の動きをまとめましょう。動脈から流れてきた血液に含まれる水分は、毛細血管を通り静脈へと流れ出ます。この毛細血管では、水分の一部は間質へ出ていったり、間質の水分が毛細血管へ入ってくるという水のやりとりが行われます。また、間質液の一部はリンパ管へと流れ出ていき

ます。細かいリンパ管は次第に集まって太いリンパ管となり大静脈へと水を戻します。この経路のどこかで何か異変が起こるとむくみが出現します。毛細血管にも血圧があります。毛細血管には血管を取り巻く筋肉がないのでこの血圧は流れ出る静脈側がスムーズだと低く、滞っていると高くなります。ホースの先端をつまむことを想像して下さい。ホース内圧は上がり膨

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