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2)リウマチの炎症程度や治療効果を見る CRP 体の様々な部分の組織が壊れた時、肝臓で生産分泌される物質です。4〜6時間で増えてくるため、その時点でのリウマチによる炎症程度を知ることができます。 血沈(赤沈,ESR) 採血した血液の赤血球が1時間に沈殿する速度を見るもの。関節炎の程度を見るために重要で、治療がうまくいって
いるかどうか経時的に見ていく必要があります。昔はとても重要でしたが、現在はCRPの方がその時点での炎症状態をよりよく反映するため、補助的な検査になってきています。 なお、CRPや血沈はリウマチ以外の炎症、例えば肺炎や虫垂炎(盲腸)などでも異常値が出るため、リウマチで使う場合は、それ以外の病気がないかどうか確かめてから評価しなくてはなりません。
リウマチの最新治療
以前、リウマチの治療は痛みを取ることを主な目標においていました。そのため、NSAID(インダシン、ボルタレン等)と呼ばれる消炎鎮痛剤がまず第一に用いられてきました。しかし、痛みを取るだけでは関節の炎症や破壊、そして結果として起こる関節(身体)の変形や機能障害は防げません。近年は関節の炎症を抑え骨関節の破壊を防ぎ10年先、20年先の身体機能の維持を目的として様々な薬が使われるようになりました。強力な薬もありますので、リウマチであるというキチンとした診断がついていることが治療開始の前提です。
1)DMARD(抗リウマチ薬)リウマトレックス(MTX、メソトレキセート) 元々抗ガン剤として使われてきた薬ですが、免疫を抑える作用があることがわかりリウマチで使われるようになりました。現在、リウマチ治療薬の中心で骨破壊を防ぐ効果が最も期待でき、治療の主力となりました。血液や肺、肝臓に対する副作用が出ることがあるため定期的な検査をしながら使います。 シオゾール(金剤) 1〜2週ごとに筋肉注射で使う薬です。飲み薬でないので面倒ですが、効果は昔から定評があります。オーラノフィンという内服で用いる金剤もありますが、注射薬に比べると効果が落ちます。 アザルフィジン(サラゾピリン) 潰瘍性大腸炎やクローン病の特効薬として知られています。即効性があり、比較的軽症で初期の方によく用いられます。
リマチル(ブシラミン) 効果が出てくるまで1〜3ヶ月かかるが、シオゾールと同程度の効果があるとされています。皮膚の発疹が出たり、吐き気や下痢などの胃腸症状がよく出るため、やや使いにくい感じがします。また、効果発現までの時間がかかるので、痛みの強い急性期にはやや使いにくい印象があります。 2)副腎皮質ステロイド 抗炎症作用が強く、以前から切り札的に使われています。何を使っても効果がないときにピタッと症状を取ります。しかし、骨がもろくなったり(骨粗鬆症)、体重の増加、血圧の上昇、血糖値の上昇など多彩な副作用があるため、最低量を注意深く使う必要があります。 3)消炎鎮痛剤(NSAID) 痛みをある程度軽減しますが、リウマチの根本治療とはなりません。痛みの自覚症状がないときは飲む必要はありません。インフリー、ロキソニンなどです。