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ほんとにリウマチ?

 一般的にリウマチという言葉を皆さんはどんなときに使っているでしょうか?「リウマチで腰が痛い。」「肩が痛くリウマチかもしれない。」など。広義のリウマチは関節や筋肉などの体を動かす部分の痛みとこわばりを起こす病気を指します。しかし、リウマチと名がつく病気で腰や肩が痛くなることは希です。リウマチと言う言葉が入る病気で有名なものは2つ。第一は"慢性関節リウマチ"で、リウマチといえばこれを指すといった病気です。そして、"リウマチ熱"。こちらは、溶血性連鎖球菌(ヨウレン菌)感染によって関節痛を伴った熱を出

す病気です。リウマチ熱は急性の病気で抗生物質で治り、関節痛も慢性化しないのが普通です。心臓弁膜症の合併が問題になりますが、抗生物質が一般化した近年ではほとんど見られない病気になりました。慢性関節リウマチは後述するように特徴的な症状がある比較的わかりやすい病気です。そして、正しい診断と初期治療がとても大切な病気です。関節や骨が痛い時、漠然とリウマチのせいだと諦めたり自己判断せず、疑わしい場合はきちんとした診察を受け、治療に入りましょう。






慢性関節リウマチの外観

 慢性関節リウマチ(以後リウマチ)は、関節の滑膜という部分に、長く続く慢性の炎症を起こします(図1参照)。炎症は徐々に骨を融かし関節が変形します。変形により関節の動きが制限されると、手足の機能が不自由となり、身体障害者になることもあります。このため、痛みを取るためだけの治療では不十分です。リウマチは一般に手指の末端から2番目(PIP)、3番目(MP)の関節や手首など、手の関節の腫れを伴った痛みで始まります。大概一つの関節ではなく3カ所以上の複数関節が同時に炎症を起こし、左右対称性に同じ関節が痛みます。そして、朝起きると炎症を起こした関節がこわばっていて、普段どおり動

くようになるのに一時間以上かかることが希ではありません。血液検査ではCRPや血沈などの炎症反応や、リウマチ因子(RF)が高値となります。強い炎症を放置したり治療が不十分だと関節の骨が溶け出し変形が始まります。レントゲンを撮ると骨の端が虫食い状になっています。骨の変形が進み充分に曲げ伸ばしできなくなると、大きな関節では人工的な関節と置き換える手術をするしかなくなります。関節が終末状態を迎え手術となるようではリウマチ治療は失敗です。関節が腫れて痛むなど、炎症が燃えさかっている間に間髪を入れず炎症を消火していくのがリウマチ治療のポイントです。

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