すこやか生活
1.胃の痛み?
か確定できません。それではどんな痛みが胃からくる痛みでしょうか?典型的な痛みは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などで起こるおなかが空くとシクシクする痛みです。胃酸(塩酸)過多で起こり、朝目覚めたとき、夕ご飯前などに起こります。そのほか胃酸過多の方は胸焼けや酸っぱい水がこみ上げる感じを伴う方も多いようです。胃の痛みだと思っていたら胆石だったり、膵臓からくる痛みだったりすることもあります。単なる便秘による、便や、ガスの貯留を胃の膨満感と勘違いしている方もよくおられます。「胃が痛い。」そう思ったときは、ほんとかどうか相談してください。
「胃が痛い。」という症状を訴える方がよくおられます。おなかというと胃を想像する方が多いからでしょう。胃はバリウム検査の写真を見た方ならイメージがわくかと思いますが、膨らむと大変大きくなり、みぞおちから骨盤のあたりまで広がることもあります。人の体が2次元(平板)なら、おなか全体が胃となってしまいますが、3次元(立体的)でできているため、広がった胃の前や後ろに様々な内臓が重なっています。小腸、大腸、盲腸、膵臓、肝臓、胆嚢、腎臓。そして、膀胱や子宮も重なる可能性があります。つまりおなかの痛みの位置だけでは本当に胃からくる痛みなの
2.胃、十二指腸潰瘍
潰瘍とは、粘膜や皮膚の表面が傷つきむけて、掘れた状態を言います。皮膚を想像していただくとわかりやすいと思いますが、えぐれた状態になると痛くなります。図1は胃の壁の断面図ですが、潰瘍になると図のように壁が掘れてしまいます。掘る直接の動力は胃酸や、消化酵素など、もともと自分の胃から
分泌されるものです。皮膚の傷は膿んだりしなければ自然に治ります。胃や十二指腸も同様で、常時強い胃酸にさらされなければ治っていくものです。ところが潰瘍のできる方は一般の方より胃酸が強いためなかなか治りません。胃酸を抑え、傷口が自然にふさがるのを助けるのが潰瘍の薬です。