慢性閉塞性肺疾患

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)という言葉を新聞などで見かけて、どんな病気だろうと思った方も少なからずいると思います。COPDは、我々でも何となく漠然としていて、キチンと診断したり説明しにくい病気です。まずこの病気を理解するに当たり、肺の造りや働きをおさらいします。肺は吸い込んだ酸素を肺胞という場所で血液に取り込み、代わりに血液から肺胞へ二酸化炭素をはき出して交換(ガス交換)するところです。このガス交換では酸素の多い吸気が気管を通って肺胞に運ばれ、酸素←→二酸化炭素の交換後、二酸化炭素の多い呼気が逆に気管を通り口や鼻へもどります。充分な酸素濃度の空気を吸っても空気の通り道である気管の通りが悪かったり、ガス交換を行う場である肺胞が壊れていては体に必要な酸素を取りこむ事はできません。

 さて、COPDは、様々な気道の傷害物質を吸入し、肺胞や気管支が壊れて、充分な呼吸を行えなくなる病気です。息をスムーズにはくことができなくなり、呼気時(息をはくとき)にゼーゼーします。病名は、肺気腫と慢性気管支炎があります。呼気時にゼーゼーする代表的な病気の気管支喘息に似ています。喘息はゼーゼーが比較的すぐ元に戻る、いわゆる可逆性がありますが、COPDは気管の閉塞状態が固定化しており元どおりにならないもの(非可逆性)と、区別されています。しかし実際はこれらの3つは混ざり合っており、厳然と区別できません。ということで、COPDは、喘息のようにゼーゼーしているが、アレルギーの原因などがハッキリせず、喘息の治療薬の効果が今ひとつの病気と考えてください。






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