2.結核の症状と早期発見のために

結核は主に、肺に炎症を起こす病気です。従って症状は肺炎や気管支炎と同様、咳、痰と発熱が主となります。肺炎と比べると熱が比較的低めで、風邪薬や、抗生物質を飲んでもなかなかよくならないのが特徴です。薬を飲んでも二週間以上、熱が続いたり、全身のだるさが取れなかったりする方は要注意です。レントゲンや、血沈検査、そして決め手となる、かく痰検査を受けることが早期発見につながります。また、過去にかかっている方は肺や気管支に後遺症があるため風邪が治りにくく、元々のレントゲン写真にも大きな異

常所見が残っていることがあり診断が困難です。普段のレントゲン写真と比較することが決めてとなるため、一枚はかかりつけ医に写真を残しておくとよいでしょう。夏前にお一人結核の方を診断しましたが、その方も2年以上前からあった肺の影を変化がないか定期的に調べていました。熱は37度台の微熱が多く、朝方は平温ですが、午後から上がってくることが多いようです。結核は愛する家族、友人、同僚にうつしかねません。怪しいと思ったら、きちんと調べておきましょう。




3.中、高齢者の結核後遺症

現代の、中、高齢者は、我が国で結核が猛威をふるっていた時代に青壮年期を過ごしました。明らかな結核となり、肺切除、胸郭形成術、人工気胸術などの手術を受けたり、脊椎カリエスになって背骨が曲がるなど大きな後遺症を残した方、薬で治した方、自然に治ってレントゲンを撮らなければその傷跡がわからない方まで様々です。結核は多かれ少なかれ肺(呼吸)障害が残るので、後遺症としての呼吸不全や心不全に苦しむ方も少なくありません。人は肺で酸素を血液に取り入れ、心臓のポンプ作用で全身に酸素を運んでいます。その肺が痛んでしまうと、十分な酸素を取り込むことができず、肺や気管支だけではなく心臓にも負担をかけることになります。若いうちは心臓がしっかりしているため症状が出ませんが、年齢が進むと軽い心不全をおこ

し、息切れや足のむくみを訴えます。したがって結核経験者は肺や心臓に負担をかけない生活が大切になります。
結核後の肺に起こる2次感染症として、非定型抗酸菌症がよく知られています。この菌は結核菌の親戚筋にあたる菌種で治療も抗結核剤を組み合わせて用いたり、クラリスロマイシンなどの抗生物質を加えたりして治療します。結核菌より病原性は弱いのに、薬が効きにくいのが特徴です。以前は病原性が弱いので治療の対象にならないといわれてきましたが、最近では結核同様、きちんと退治しておくことが勧められています。その他、アスペルギルスというカビも、結核が治った空洞に巣くうことがあります。こちらはカビ専用の抗生物質で退治することになります。

結核30年後のリバイバル | 結核の症状と早期発見へ 中、高齢者の結核後遺症|
客観的な喘息自己管理 結核長わずらいの理由 | ピークフローメータ使用例 編集後記 食後30分とは