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結核は昭和20年代医学のハイライトでした。ストマイ、パス、ヒドラなど抗結核剤の導入、BCG接種の普及によって、同30年頃より新規登録患者が一貫して低下し、ほぼ撲滅されたかのような様相を呈しました。しかし、1997年より、結核の登録患者数が上昇に転じ、現在の保健事情からも、今後、増加する可能性が取りざたされています。その理由を述べますので、皆さんの周りの状況を振り返り、古くて新しい病気をもう一度、思い起こしてください。
まず、日本社会の高齢化が進んでいること。これは、若いころ結核にかかった方が高齢化し、再びぶり返す場合、高齢者の免疫力低下が原因です。糖尿病や抗ガン剤治療で免疫力が低下した人も増えました。体力で自然に治った方、抗結核剤で治療をした方も安心できません。結
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核は何十年も静かに潜んでいて再び暴れる病気だからです。
BCG接種を受けている若い方も大丈夫とは限りません。予防接種で身に付いた免疫力は、長年(BCGの場合約15年)使わないでいると徐々に敵の顔を忘れてしまいます。公式を使わないでいると忘れて、数学の計算ができなくなるのと同じ理屈です。近頃は結核菌を持っている人が減ったので、巷で出合う機会が少なくなりました。せっかくついた免疫も維持しずらくなったのです。そしていざいうときに免疫力が忘却の彼方となり発病します。
エイズや外国人労働者の増加や、不況による社会経済的弱者の増加も登録患者数上昇の要因となります。
これらのことから結核はいま、30年ぶりにリバイバルしつつある疾患として注目を集めているのです。
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