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鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活第3巻12号

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下した方では薬の用量を減量するなど調節が必要です。もっとも、一般的な薬はある程度の安全域を考えて用量設定がされていますので、用量オーバーで副作用が出る可能性は少ないのですが、機能障害が相当進んだ方は要注意です。検診などで時々血液や尿検査をするのは、このような意味


でも大切です。軽い慢性肝炎などでは概ね問題ありません。肝臓病なら肝硬変に入ったら、腎臓病なら解毒作用低下の指標のクレアチニンが上がってきたら解毒力(代謝や排泄)が低下している可能性が高く注意が必要です。肝臓や腎臓の悪い方は、医療機関にかかったり薬を買うときには、必ず申し出てください。






薬の作用と副作用

 「この薬は副作用がないですよね?」「私は、副作用のある薬は飲みたくないんです。」「漢方なら副作用がないと思い、飲んでみました。」このように皆さんが、副作用のことをとても心配され、薬を飲んでいることが、日々の診察での会話でよくわかります。しかし、上に挙げたこれらの話はどれももっとものようでピントが外れています。それは、薬というものはほとんどすべてのものに副作用があるからです。薬には様々な働きがあり、病気を治す有り難い働きを"作用"

と、呼び、体にとってマイナスになる働きを"副作用"と呼びます。どの薬もよい面ばかりの魔法の薬だとよいのですが、そうはいきません。また、よく効く薬でも、使う人によって効かなかったり、効きすぎて作用が副作用となって現れることもあります。
 このように薬の作用(よい働き)と副作用(悪い働き)は「表と裏」や「光と影」の関係と似ています。これら切り離せない2つの側面を持つ薬の働きを図のように天秤に掛けて、作用が副作用を大きく上回ると思ったら薬を処方して皆さんに飲んでもらいます。なお、市販の薬に比べて医家向けの薬はより作用が強いものが多いため副作用にも一層注意を払わなければなりません。一般の方ではごく一部の薬を除いて医薬品についての注意を徹底することはできません。そこで、医家向け

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治療の手段と薬・薬の体内での動き | 薬の代謝と排泄
| 食後30分以内は食直後でけっこう | 薬の正しい使い方