普段から備えておこう

 腹痛は突然起こるように感じます。しかし、その多くは、前兆があったり、軽い痛みが続いた後に起こることが多いようです。そこで、軽い症状があるうちに、原因を調べておけば、痛みの本番が来たときに余裕を持って対応できます。
 たとえば胆石や、腎結石がある方は、石による痛みが、どこにどのような形で起こるか覚えておきましょう。胆石が食事で増悪すること、腎結石は茶褐色の尿が出ることなども参考になります。また、胃や十二指腸に問題のある方は、空腹時に痛みが増強すること、背中まで痛みがくることもあります。出血すると血液が胃酸で酸化し、黒い便が出てきます。このような方が我慢に我慢を重ねると、潰瘍の底が抜け

て穿孔し、腹膜炎になります。腹部大動脈瘤のある方も超音波などで前もってわかります。徐々に大きくなったり、急に痛みが来たら要注意です。過去におなかの手術を受けている方は、中で腸同士、腸とおなかの壁がくっついている(癒着)可能性が高いため、下痢や便秘など腸の調子が狂うと、ねじれたり、引っ張られたりして強い痛みが来ます。
 いかがでしょうか。ご自分の体の仕組み、問題点を前もって知っていれば、腹痛が来たときにもあわてずに対応できます。"敵を知り、己を知れば百戦危うからず。"です。







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