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気管支の最も有名な病気は、気管支ぜん息です。これは小さいお子さんから大人まで様々な年齢で起こり、特に受診回数の多いお子さんに多いこと、発作が高じて命を落とす場合があることから注目されています。ところでCOPDは長年、気道に悪い空気を吸いこんで末梢気道や肺胞が傷む病気です。以前は、気管支に慢性的な炎症が起こる、慢性気管支炎と、肺胞が壊れてふくらみ、末梢の気道が圧迫されて気道狭窄を起こす肺気腫という別々の疾患を合わせてCOPDと呼んでいました。現在は双方がオーバーラップしていることと分ける意味合いがあまりないことから、各々の病名は使わずまとめてCOPDと呼んでいます。
COPDの定義
有害なガスや粒子を吸飲することによる肺の異常な炎症反応が原因で、気管支拡張剤で完全に狭窄が解消されない気流制限が起こる病気です。この気流制限は、スパイロメトリーという肺活量などを測る検査機で測定され、メプチンなどの気管支拡張剤吸入によっても1秒率が70%以上にならない状態です。(70%未満にとどまる。)
COPDの特徴
長年に渡る慢性的な気道の損傷が原因なので、中高齢者に多く、有毒ガスといってもたばこの煙で障害を起こしていることがほとんどなので、喫煙者が罹る病気です。また、ぜん息のように外から見ていて急に苦しい発作を起こすことはまれで、少しずつ進むた
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め、見逃されることの多い病気です。禁煙しなかったり治療を怠ると、徐々に進んで呼吸不全に陥ることもあります。こうなると普通に呼吸しているだけでは体内に十分酸素を取り込めないため、いわゆる呼吸不全の状態に陥り、一日中酸素を吸う在宅酸素療法のお世話になるほか無くなります。 COPDの併存症
タバコが原因の疾患なので、タバコ関連の余病が合併することがよくあります。代表的なものは、肺ガンや虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)などで、これらは肺自身や肺と直結している心臓病なので、COPDの病状を悪化させる可能性が高く危険です。
COPDの増悪因子
COPDは有害物質の吸入によってゆっくり進む病気ですが、気道や肺の急性疾患が重なると一気に病状が進む場合があります。具体的な増悪因子は、細菌感染による肺炎やウイルス感染によるインフルエンザなどが最も重要です。これに加え、大気汚染や新たな有害物資質の吸入も問題です。これらは、気道や肺を傷めるだけでなく、全身を消耗させ一気に呼吸不全へ陥れることもあります。
このため、増悪因子を避けるためにCOPDを持つ方はインフルエンザや肺炎球菌ワクチンの接種で、感染症の予防を行ったり、余計な有害物質を遠ざける工夫が必要です。
COPDの重症度
下記の表が呼吸器病学会のガイドラインによる重症度ですが、これはスパイロメトリーを使わないと測定できません。誰でも簡単に判別できるのは、6分間で何メートル歩けるかという指標です。350m<なら正常、250~349mなら軽度異常、150~249mなら中等度異常、<149mなら高度異常です。これに該当するなら、医師に相談してください。
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