かなか消失しないこともあります。1週間風邪症状がとれない、4~7歳児のMRIを行ったところ、90%に膿の貯留や、副鼻腔粘膜の肥厚があり正常者は10%程度であったという報告もあります。つまり、1週間以上続くお子さんの鼻汁、咳などは副鼻腔炎の可能性が極めて高い事になります。副鼻腔炎が咳の原因になるのは、ノドへ落ちた副鼻腔からの鼻汁(後鼻漏)が気管に吸い込まれるため、むせて痰として出そうとする体の自
然な対応が咳だからです。この気管に吸い込んだ後鼻漏を上手に出せなかった場合はどうなるのでしょうか?これが肺炎球菌などによる細菌性肺炎です。ちなみにある年の花粉症の時期に肺炎になった18人中で、上顎洞のレントゲンを撮った14人中12人に副鼻腔炎の合併が見られました。つまり、アレルギー性鼻炎→副鼻腔炎→肺炎が一般的な肺炎の起こり方なのです。
赤ちゃんは脱水になりやすい
グラフは新生児から1歳児以上の人の体の成分を水を中心に整理したものです。細胞外液とは、血液やリンパ液、細胞間を埋める水です。細胞内液は、各細胞の細胞膜に包まれた内側の水分です。固体成分とは、タンパク質、脂質、グリコーゲンなどのデンプン質、そして骨などです。ご覧のように、小さい赤ちゃんほど細胞外液の割合が高く、脱水になりやすいのです。その理由は、水の喪失は細胞外
液から始まり、1分間の呼吸数が倍近く呼気から水が逃げやすいこと、水の出入りが体重あたりで成人の3倍ほどなので、食事が取れず、少し水分摂取が悪かったり下痢することによって一気に脱水に陥ります。大人と違って、自分で水を探して飲むことができません。このため、周囲の大人がよく観察し、きちんと脱水対策をしてやる必要があります。