すこやか生活

大人と違う子供の体

 子供は小型の大人、ではありません。新生児として生まれ、体の各部分が少しずつ成長を続け、成人のころ初めて大人の体になります。その間、各々のパーツ(臓器)は、その特性に合わせた発育、成長のスピードを持っています。図はリンパ型、神経型、一般型、生殖器型と、機能が類似した臓器のグループ別の発育曲線です。
 リンパ組織は、小児のうちに成人のレベルを超えて大きく成長しますが、その後、組織は小さくなって成人の大きさに戻ります。これらは、リンパ球を介して、免疫力を担当しているリンパ節、リンパ組織(腸内など)胸腺などの組織です。小児期は扁桃腺が大きく腫れているように見え、11歳頃をピークに小さく

なっていきます。このためお子さんは、なんでもないのに、扁桃腺が腫れているように見えるため、扁桃炎と間違えられやすいのです。
 神経、特に脳の神経細胞は体の他の細胞のように分裂・増殖をしません。このため、生まれたときが最も多く、少しずつ数が減っていきます。実際は、2歳くらいまでの間に70%ほどの細胞が消失し、残った30%がほどんど数を変えず、長年生き残ります。ただ、脳細胞一つ一つは成長しながら大きくなっていき、20歳過ぎに脳の体積が最大になります。眼も感覚器としての神経です。
 生殖器は、第二次性徴以降に急速に成長します。これは、女性ホルモン、男性ホルモンなどの分泌が活発になり、その影響を受けて精巣、卵巣、子宮その他が成長・発達します。
 一般型は、リンパ系、脳・神経系、生殖器系を除く、ほとんどの臓器、組織が含まれます。呼吸器、消化器、腎、心臓、大動脈、脾臓、筋、骨、血液などが該当します。ちなみに新生児は頭でっかちで4頭身です。大人が7~8頭身とすると、新生児期に既に、脳の発育が全体より早く進んでおり、首から下が、まだ、未発達であることがわかります。これらの成長が目に見えるお子さんの成長に一致します。






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