腸内細菌の主な種類と特徴

 腸内には1014個(100兆個)の細菌が生息しています。小腸、大腸は口から遠く外気から閉ざされているため、ブドウ球菌のような酸素需要の多い好気性菌や通性嫌気性菌よりも、無酸素の状況で生きるのに適した偏性嫌気性菌が多く住んでいます。最も多い順から、バクテロイデス、ビフィドバクテリウム(ビフィズス菌)、ユウバクテリウム、嫌気性連鎖球菌、そして次にやっと酸素があればそれを利用し、無い場合でもなんとかなる通性嫌気性菌の大腸菌が続きます。大腸菌は名前から、大腸の中心的な菌をイメージしがちですが、実際は、全体の1%未満の、ごくマイナーな菌です。
バクテロイデス:基本的におとなしい同居者です。Silent Majority(物言わぬ多数者)と言ったところです。

ビフィドバクテリウム(ビフィズス菌):乳児期は乳酸菌の一種である、ビフィズス菌の割合が多いため、赤ちゃんの柔らかいうんちはヨーグルトのような酸っぱい臭いがします。腸内を酸性に善玉菌が住みやすい環境を保つ働きがあります。また、ロタウイルスなどの感染性腸炎ウイルスに対抗する働きがあり、花粉症などのアレルギー性疾患にも有効という説がありますが、このあたりはまだまだはっきりしていません。膣に住み、そこを酸性で他の細菌が入り込まないよう清潔に保っているデーデルライン桿菌もこの乳酸菌の仲間です。
大腸菌:常在菌はほとんど無害ですが、病原性のある大腸菌、腸管出血性の毒を持つ物もあります。水の汚染度を測る目安として、調べられることもあります。






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