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1)拮抗現象 体のほとんどの部位では、常在菌は1種類ではなく、多種多様の菌達がある一定の割合で住み、平衡状態と呼ばれる安定した環境を作っています。ここに、外部から新たに別の病原菌というよそ者が進入しても、その環境に馴染めず生き残れなかったり、病気を誘発することができません。このような細菌群たちのスクラムを拮抗現象と呼びます。抗生物質などで、常在菌の一部が死んで平衡状態が崩れると、拮抗現象が起こらず、様々な感染症がその場所で発生します。抗生物質で起こる下痢や、カンジダ性膣炎などがこれです。 2)免疫系刺激作用 体を無菌状態に保った飼育動物は、血液中の免疫グロブリン濃度が低く、細胞
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性免疫も弱く、外敵の攻撃に対する抵抗力が弱いことがわかっています。免疫は様々なきっかけで起こりますが、全く無菌の状態より、善玉とはいえ時に暴れる可能性のある他人が同居していると、万一の場合に備え、体の免疫もいつでも出動できる様に準備を整えます。よい意味の緊張状態ですね。この結果、本当の外敵が入ったときに迅速に対応できます。この準備状態が免疫刺激作用です。 3)ビタミンB群等の産生 腸管に常在する細菌は、その代謝の中で、ビオチン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシンなどを作っており、その一部は宿主の人間が使っています。抗生物質などでこの働きをしている菌を殺してしまうと、ビタミン不足に陥ります。
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