熱中症の起こりやすい条件
熱中症は、@周囲の環境、A体の状態、B行動の3つの条件の具合で起こりやすくなります。 環境は自然がきめることでどうにもなりません。外気温が高いと、体から熱が逃げにくく、熱中症を誘発します。 また、元々体の水分比率が少ない高齢者や自分で体の不具合を判断できない乳幼児、認知症の方ほか、断熱材ともいえる皮下脂肪が厚く熱がこもりやすく逃げにくい方は熱に弱いタイプです。心不全を
起こしやすい心疾患を抱えていたり、貧血など全身の循環に問題がある方や、二日酔いで脱水になっている方も要注意です。 暑い盛りに、長距離走ややり慣れない運動をしたり、休憩を入れず長時間行う屋外作業も熱中症を誘発します。頻尿が気になり飲水を控えている方も熱中症の予備軍です。他のシーズンは心配が少ないのですが、この時期だけは水分と塩分を十分摂るよう気をつけてください。
熱中症を疑う症状
熱中症の中核は、全身の循環不全と、それに伴う脳・神経、筋肉、肝臓・腎臓の障害です。ひどく蒸し暑く感じる気候の時、以下の症状がある場合は要注意です。I度1)めまい・立ちくらみ 脳の循環不全症状です。脳の血圧低下によって出現します。2)筋肉痛や筋硬直 こむらがえり 脱水や塩分不足、筋肉の循環不全など3)動悸(どうき)4)汗がとまらないII度5)ズキンズキンとする頭痛6)吐き気7)からだがひどくだるい8)虚脱感(強い脱力感)
III度9)意識低下や消失10)けいれん11)異常な高体温12)もうろうとし、反応が乏しい13)まっすぐに歩けない I度なら、涼しい場所で体を冷やしながら休息し、イオン水などを摂取すればただちに回復します。これで回復しなかったりII度の症状が加わったなら、医療機関を受診すべきです。 医療機関で他の疾患で無いことが確認されれば基本的に心配ありませんが、脱水と循環不全解消のために点滴を受けることになります。 III度の症状がある場合は危険なので、速やかに医療機関を受診してください。