(2 ページから続く)

染や皮膚の接触で感染するわけではないため、守るべきことを守れば、そう簡単には感染しません。気をつけなければならないのは、血液に接触する可能性のある医療従事者です。また、配偶者など性的な接触があ

る場合も同様です。B型肝炎はワクチンで予防することが可能ですので感染の可能性が高い方は是非すませておきましょう。C型やHIVはワクチンがないので、血液や体液との接触の機会を減らすしかありません。

伝染しやすい感染症






インフルエンザ
 「流感」とも呼ばれた、高熱の出る風邪です。感染者の咳に含まれる、細かい「飛沫」と呼ばれる、ウイルスを含む水滴を吸い込んで感染します。インフルエンザは感染した人の多くが発症するため、典型的なうつりやすい感染症と言えましょう。
 予防上、最も大切なのは、
マスクです。流行する時期に人混みに入ったり満員電車に乗る場合、必ずマスクを着用してください。ワクチン接種は重症化の予防に有効ですが、注射をした後、抗体化が上がって免疫が付くまで、2~4週ほどかかるため、流行する前に済ませておきましょう。
 1~2日の潜伏期を経て発症した場合、鼻や喉の粘膜からぬぐい液を採って調べる迅速検査を行います。その結果、A型、またはB型のインフルエンザであれば、タミフルや、リレンザ、イナビルなどを使って治療します。
 出校、出社ができる目安は、発症後5日かつ解熱後丸2日の自宅安静ののちです。ここまでくれば、人前にでても、周りの人にうつすことはないので大丈夫です。
感染性胃腸炎(ノロ、ロタ)
 秋から冬にかけて流行するノロウイルスや保育園などで流行るロタウイルス等です。これから、きわめて感染性が高く、ほんの微量、口に入っただけでも胃腸炎を起こします。
 具体的な感染源は、トイレや洗面所の取っ手、蛇口、タオルに付いたウイル

スで、きちんと手を洗わずに汚染された手で食べて、口に入るパターンです。ウイルスはアルコール消毒に強いため、次亜塩素酸を含むハイターやミルトンを薄めて消毒します。ハイターなら吐物などの汚物は50倍に薄めて、便座などを拭く場合は250倍に薄めて使います。蛇口やトイレのノブ、取っ手なども同様です。手にウイルスが付かないように、ゴムやビニール手袋をした上で拭いてください。潜伏期は24~48時間ですが、体内に入るウイルス量が多いと、半日以内に発症することもあります。
 治療は整腸剤や消炎鎮痛剤、便がゆっくり固まってくるような弱い下痢止めなどが用いられます。
 症状が軽快しても、その後1週間程度は便にウイルスが排出し、人にうつす可能性がありますが、ふつうの固さの便になれば飛び散ることもないので、うつす可能性はめっきり減ります。
麻疹>水痘>流行性耳下腺炎>風疹
 不等号は、感染力の強さを示しています。子供の病気として知られるこれらは、非常に感染力が強く、また、感染すると発症する可能性が高いウイルス性疾患です。
 特に麻疹は、免疫をもっていない人がウイルスに接すると、ほぼ100%発症します。
 水痘の免疫を持っていない家族の発生率も90%以上です。
 流行性耳下腺炎は、感染

(4 ページに続く)

感染症ってなに? | 伝染しない感染症
伝染しにくい感染症
| 伝染しやすい感染症 | 中程度のかかりやすさの感染症