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A)肺炎球菌による肺炎 これは、口や鼻などに共生している肺炎球菌を気管支から肺へ吸い込み、それを上手に咳で吐き出すことができなかった結果、肺内で菌が増殖し、炎症を起こしたもので、常在菌からの発病です。 風邪をこじらせると、次のように肺炎が起こります。風邪で鼻の分泌物が増えると、鼻からノドへひっきりなしに垂れ、気管に何度も鼻汁を吸い込みます。繰り返しセキをしても、この鼻汁を排出することができないと、菌を含んだ分泌物が肺内に定着し、含まれる肺炎球菌が増殖し、肺炎になります。 鼻やノドなどの上気道に定住している肺炎球菌は比較的毒性の高く、肺炎を起こしやすいため、予防接種でこれらの菌に対する抗体をつくると、上気道に定住する毒性の高い肺炎球菌が減り、病気を起こしにくい別のおとなしい細菌が代わって生えてきます。この結果、ワクチンを接種しておくと、鼻水を吸い込んでも強い炎症を起こしにくくなるため、肺炎の予防になるわけです。
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B)小児のインフルエンザ菌や肺炎球菌 これらは常在菌として上気道に住み、上気道炎がこじれると、中耳炎、副鼻腔炎などを起こし、そこから頭蓋内に入り込んで髄膜炎を起こす菌として知られています。病気の予防は、大人の肺炎球菌性肺炎の予防と同様に、お子さん達にワクチンを接種して、上気道の常在菌をより毒性の低い菌に置き換わらせることです。これらも常在菌ですので、他のお子さんにうつって直接髄膜炎を起こすわけではありません。 C)非定型抗酸菌症 結核菌に近い種の細菌で、土の中など生活環境の中のどこにでもいますが、ふつうは人にほとんど感染しません。しかし、結核にかかったことのある人の肺など、弱った肺にはとりつきやすく、慢性的な気管支炎や肺炎を起こすことがあります。結核でも感染した人の10%程度しか発症しませんが、この菌は結核菌よりも毒力が弱いため、仮に感染してもほとんど発症することがありません。つまり、結核のように人から人にうつることは無いということです。 ただ、いったんかかると結核菌よりも薬が効きにくいため治療が長引く例がほとんどです。
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