白癬菌とでんぷう菌

 皮膚に住む、代表的なカビが白癬菌とでんぷう菌です。最もポピュラーなカビたちなので順に紹介します。白癬菌は炎症が強めなのでかゆみを覚えますが、でんぷう菌はおとなしいので、皮膚の色素沈着のみでかゆくないこともあります。
白癬菌
 白癬菌は、菌がはびこる体の部位によって病名が違っています。手や足の指の間などに生える場合は水虫。爪に生えると、爪水虫。そして、股間に広がるといんきん、手足や股間を除くボディや、腕や脚にでるとタムシと呼ばれます。また、頭にできるものは、しらくもといわれます。
 むいた皮膚を顕微鏡で覗いて、白癬菌が確認できれば確定ですが、それぞれ特徴的な外見を示すので、病変に対して抗真菌剤を塗って改善すればほぼ間違いないでしょう。それでは、代表的なタムシを見てみましょう。肉眼的特徴は、
①円形に近い、1cm程度以上のコイン状
 の発疹
②円形の発疹は中央部の炎症が軽く、正
常皮膚との境界が最も炎症が強いため、リング状の発赤のつよい部分があるのが

特徴です。周囲の炎症は少し治まると、皮がむけた感じになります。
治療:ケトコナゾール、ミコナゾールなどの抗真菌剤の塗布が一般的で、塗る場所に合わせて、クリームや軟膏、ローション(チンキ)があります。1~2週間で見かけ上消えたように見えますが、そこで塗るのを止めてしまうと、すぐぶり返します。
 爪の水虫は、皮膚と比較し、クリームやローション、チンキで治療してもなかなか治りません。そこで、ラミシールやイトリゾールなどの内服が一般的になりました。爪が生え替わる期間、約6ヶ月間内服し綺麗になったら、治療終了。
でんぷう菌
 白癬菌よりおとなしい真菌で、乳房の下、おへそのまわりなど蒸れやすいところに繁殖します。かゆみが軽いので、ただのシミと思っている方が多いです。しかし、周囲の皮膚と比べて、コーヒー牛乳色のシミが広がっているように見えたら、これです。
治療:白癬菌と同様にケトコナゾールやミコナゾールのクリームを1日一度塗っておけばよいでしょう。






たむしの特徴:
1.1円玉以上の輪状の発疹で正常部との
  境が、クッキリしている。
2.輪状の発疹は外側に広がっていく。
  広がった外側側のエッジには、フレッ   
  シュな炎症部が存在し、赤みが強い、
  ツブツブした発疹が寄り固まっていま
  す。一部、水疱を持つものもある。
3.炎症部のすぐ内側は少し炎症が治
  まり、赤みが淡くなる。
4.中央は皮膚の再生が起こり、正常部に
  近い色となる。

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