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一時期、抗菌グッズなどと言うものがはやり、人は細菌やカビとは無縁なものという幻想が広がりました。しかし、血管の中や髄膜、関節腔など外部との交通路がないところを除いて、人体にはどこもかしこも細菌やカビが住み着いており、胃酸のため菌は住めないと言われていた胃の中にもピロリ菌が住んでいます。このように健康な状態の体に、害を及ぼさずに住んでいるのが常在菌です。常在菌は普段は毒性が少なく、おとなしく同居していますが、その場の免疫力が落ちたり傷があると、はびこって病気の元になります。これらは病気の原因になるほか、普段は宿主(人体)に益する働きもしています。必要なビタミンや栄養を作っていたり、本当に病原性の高い菌が侵入しようとしたときに、スクラムを組んで追い出すなどです。常在菌の多くは細菌ですが、でんぷう菌というカビ、EBウイルスや単純ヘルペスなどもそのグループに入ります。各臓器の主な常在菌を紹介します。
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口腔内:連鎖球菌の仲間が主で、真菌のカンジダなども住んでいます。口腔内で有名な"歯周病菌"もこれらの雑多な常在菌の塊です。 鼻腔:皮膚と同様に、表皮ブドウ球菌や、黄色ブドウ球菌がすんでいます。肺炎球菌やインフルエンザ菌なども見かけます。 大腸:バクテロイデスや病原性低い大腸菌、そしてヨーグルトの素になる乳酸菌などです。 皮膚:表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌他、カンジダやでんぷう菌などの真菌も住んでいます。 膣内:女性ホルモンの影響を受け、多少菌の組成が変わりますが、主なものはデーデルライン桿菌と呼ばれるラクトバチルス(乳酸菌)が主です。この菌は酸性の乳酸を作るので、他の病原菌の繁殖を抑える働きがあります。ただ、抗生物質に弱い菌なので、人によってはセフェム系などの抗生剤を飲むと、あっという間に死んで、代わりに抗生物質が効かないカンジダがはびこることがあります。(カンジダ性膣炎)
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