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の直腸に溜められ、ある程度集まったらもよおし、排出されます。
 排便は次の3つの順で起こります。
I相:大腸の蠕動(ぜんどう)
 下降結腸を中心に、大腸全体が便を肛門へ送る方向へ運動します。食べ物の摂取や飲水により胃が膨らむと、その刺激が大腸に伝わり運動を起こします。最終的に便が直腸へ行き、ある程度溜まってその壁を押すと、延髄という脳へ伝わり便意を覚えます。

II相:腹筋の収縮、横隔膜の下降
 便意が伝わると、腸を外側から包む腹筋や横隔膜の筋肉が収縮し、ちょうどクリームを絞る手のように働きます。その結果、便は肛門へ向かって押し出されます。
III相:肛門括約筋の弛緩
 便が肛門へ近づくと、出口を閉めている括約筋がゆるみ、晴れて便が世に出ます。
 以上の排便の仕組みのどこかに問題が生じると便が滞り便秘になります。

 高齢者でも後述の心の原因で起こる便秘もありますが、圧倒的に多いのが体や老化が原因の便秘です。
1.結腸性便秘
 運動不足や寝たきり、骨粗鬆症による背骨の曲がりによって腹筋の筋力が弱ったり、腹筋が弛んで力がかからなくなると便を絞り出すことが出来ず便秘になります。便秘でおなかが張ると食欲が落ち、食事量が減ります。すると栄養不足となり、益々腹筋が落ち、図、左側の悪循環に陥ります。
2.直腸性便秘
 高齢者に多い脳梗塞や脳出血で脳を傷めると、便意に鈍感になることがあります。これが、直腸に便が溜


まっているのに出ない、直腸性便秘です。時間が経つにつれ、便はカチカチなり、排便時に痛んだり肛門が切れて、つらい思いをします。この不快感が排便に対する不安や恐れにつながります。すると、益々便意を感じても無視をしたり鈍感になり、図、右側の悪循環に入ります。2つの悪循環はつながっていることもあり、その場合はたちの悪い便秘になります。
 右側の悪循環は回避しにくいものですが、左側は前もって備えておくことが可能です。
高齢にさしかかる前から運動を心がけ、骨粗鬆症の予防を行い、何でもかめる健康な歯を維持していくことが肝要です。

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主な便秘薬と使い方