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切り離し手ぶらの状態で肺へと戻ってきます。ちなみに、体で発生した二酸化炭素は水に溶けやすいため、血液の水溶成分に溶けて肺へ運ばれ、吐く息へ出されます。なお、タバコの煙など不完全燃焼で発生した一酸化炭素は、酸素より強くヘモグロビンに結合するため、赤血球が酸素運搬機能を果たすことができず、生体は重大な酸欠に陥ります。他の血液細胞の寿命が数日なのに対し、120日と長いのも赤血球の特徴です。 白血球:ヘモグロビンを含まないため赤くなく、白血球と呼ばれています。主に顆粒球とリンパ球に分類されます。顆粒球は、細菌やウイルスなどの外敵を食べる好中球や単球、アレルギーに関与する好酸球、好塩基球があります。
また。リンパ球には、免疫抗体(IgGなど)産生に関わるB細胞と、B細胞をコントロールしたり免疫抗体以外の免疫機能を司るT細胞があります。このように単一な赤血球と比べて多彩な白血球達を無理矢理一括りにしているため、まとめて語ることは適切ではありません。しかし、「生体防御に関わる血液細胞」という大きなくくりの中で、白血球は扱われています。血小板:巨核球と呼ばれる血小板の元になる細胞の端が千切れてできた細胞のかけらです。血管に穴が空くなど出血した場所に集まって寄り合い、穴をふさぐパッチの働きをする細胞成分です。この細胞の数が減ったり機能しない場合は出血しやすくなります。
血液の水溶成分
血液を試験管にとって置いておくと、細胞成分が沈殿して血の塊ができ、うす黄色の水溶物が上澄みとして残ります(血漿)。この上澄みはおよそ血液の55%で、そのうち水が91%、タンパク質が7%、そして残りが塩分や脂肪(中性脂肪、コレステロール)などです。水:人の体は60%が水でできています。内訳は、細胞内の水が40%、血液中の水が5%、リンパ液など他の細胞外の水が15%分です。タンパク質:タンパクの主成分で血液をシャビシャビでなくふっくらとした液体として維持するために必要なアルブミン、抗体や血液内の様々な物質の運び屋として働くグロブリンなどがあります。血液内のタンパク質が不足すると血が水っぽくなり、血管から水が漏れ出てむくみの原因となります。大量の尿タンパクが出て、血液内のタンパク質が不足し、むくんでくるのがネフローゼです。 その他、血液内のタンパク
質には凝固因子と呼ばれる血液を固める糊の働きをするものや、鉄と結合して体の中で鉄を運ぶトランスフェリンなどがあり、タンパク質は様々な生体機能に関与しています。塩分:Na(ナトリウム)が150mEq/l、K(カリウム)は4.5mEq/l、Cl(塩素)は115mEq/lの濃度で血液に含まれています。NaClはいわゆる食塩ですので、血がしょっぱいのは、水溶成分に塩が溶けているからです。細胞の中の水は血液
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