非発作時の治療と生活

1)高尿酸血症の治療
 痛風の原因は、血中の尿酸が増え、これが関節内へ移行しそこで尿酸結晶ができることです。そこで、痛風を繰り返す方や、尿酸値が非常に高い場合は平常から尿酸を下げておく必要があります。
A)アロプリノール(ザイロリックなど)
 プリン体が尿酸に変わる化学反応を抑える薬です。これにより体内での尿酸の産生が少なくなり、血液中の尿酸値が下がります。昔からある薬で、ほとんどの高尿酸血症で適応があります。最近この系統に、40年ぶりの新薬、フェブリクが出ました。
B)ベンズブロマロン(ユリノームなど)
 腎臓からの尿酸排泄を促す薬です。従って、元々腎機能が低下していて尿酸の排泄が不良の場合は、この薬を飲んでも尿酸を体外へ捨てることができず効果が期待出来ません。このため、腎不全などでは使われません。1日に1回の服用が基本なので飲み忘れの少ない薬です。
 症状がない場合でも、尿酸値が9.0mg/dl以上なら、薬の内服を検討します。

2)生活習慣の改善
A)飲酒制限
 ビールが一番尿酸値をあげることが知られており、ワインなどではほとんど上がらないと言われています。蒸留酒などでも尿酸値は上がるため、ワイン1合、ウイスキーダブル1杯程度が、あまり問題の起きない飲酒量と思います。なお、痛風発作が治りきっていないときは基本的に禁酒です。飲む場合はNSAIDsの服用が必要なくなってからとし、恐る恐る飲み始めて下さい。
B)食事と肥満解消
 一般にBMIや肥満度の増加に伴って尿酸値は上がります。このため、肥満を解消する生活習慣は高尿酸血症の解決に有効です。
 尿酸は前述のごとく、お肉や魚、マメなどのタンパク質の多いおかずに多く含まれ、ビールやアルコールの多飲も尿酸値増加の原因です。普段からこれらを避けることは、肥満解消と尿酸を下げる意味で一石二鳥です。
C)運動と尿酸
 尿酸は細胞核や筋肉の分解産物です。従って、激しい運動で筋肉を痛めてしまうと尿酸値が上がる原因になります。また、激しい運動は体が脱水症へと傾くため、途中で十分水分を摂取しないと関節内の尿酸が増えて、結晶化します。従って、筋肉を傷つけない中程度の強度の運動を、水分を摂りながらするのがポイントです。






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