鎌倉市大船 山口内科 すこやか生活13巻2号

すこやか生活

痛風発作の特徴

 足が腫れて歩けなくなったといって、びっこを引きながら来院される男性が時々います。靴を履くこともままならず、大概はサンダル履きで、だぶだぶの冬用の靴下や包帯を巻いている方までいます。
 早速、診察をするため靴下や包帯をとってもらうと、足の親ユビの付け根を中心に真っ赤な腫れがあり、足首までむくんでいる場合もあります。話を聞くと、「前日まで何事もなく、昨晩少々飲み過ぎて、早朝足が痛くて目が覚めました。やむなく起き上がると、足が腫れていた。すぐ治るかなと思っていたら、どんどん痛みが強くなり現在に至りました。足を捻ったり、けがをするようなことは何もやっていないんですけどね…」などと、話をされます。さらに聞くと、「そういえば1年前にも似たようなことがありましたが、その時はすぐに治ったので医者に行きませんでした。」
これが痛風発作の典型です。
 特徴は、会話で出てくる、次の4つです
@男性
A足の関節の炎症
であることB赤くはれて痛む
C血清尿酸値 
7ml/dl以上
 この4つが揃うと88%の確

率で痛風発作です。男性がほとんどで、女性は痛風患者の50人に1人しかいません。また、足も80%以上が親ユビの付け根の関節で、くるぶしや足底の骨(土踏まずから足の裏を形成する骨)などが、これに続きます。短時間で自然に治ることもありますが、大部分が腫れが治まるまで1〜2週間かかり、運が悪いと抗炎症剤をつかってもひと月以上腫れがひかない場合もあります。また痛風発作は繰り返すのが特徴で、何年も発作が起こらない人から、ひと月のうちに何度も起こす人まで様々です。
 発作を起こすきっかけは、典型例のように飲酒が多いのですが、関節の使いすぎ、筋肉運動のしすぎ、飲水不足などが続きます。「何も悪いことをしていないのに…
.」という、運の悪い方もいます。尿酸値は痛風発作かどうか区別する材料になり、8mg/dl以上なら痛風になりやすく、特に9mg/dl以上は危ないと考えられています。
 以上が痛風の概略です。わかりやすい病気なので、怪しければお早めに。






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