消化器疾患とアルコール

マロリーワイス症候群
 大量にお酒を飲み、吐いた勢いで食道と胃のつなぎ目が裂けて出血し、胃に溜まった血液を2回目以降のおう吐で吐血する状態です。飲酒以外でも裂けますが、8割近くがアルコール関連です。ポイントは、初回ではなく二回目以降のおう吐で血を吐くことです。
胃食道逆流現象(逆流性食道炎) 
 専門家はアルコールの粘膜への直接作用を主に研究していますが、実際は過食、飲み過ぎ、ビールの泡などで胃の内圧が上がり、ゲップや胃酸、食べ物が食道に戻ってきて食道粘膜を荒らすことが主な原因です。
 また、お酒を飲むと食べ過ぎにつながり、摂りすぎたカロリーが内臓脂肪や肝脂肪として蓄えられ、自分のお腹の脂肪に胃が圧迫され胃の内容が戻ってくるこ

とも関係します。食道・胃のつなぎ目は横隔膜などでキュッと絞られ逆流しないような構造になっていますが、一度広がってしまうとパンツのゴムと同様元に戻らなくなります。飲み過ぎで太っている方は要注意な疾患です。
肝臓病
 アルコールは膵臓へと同様、肝臓の細胞を直接傷め肝炎や肝硬変の原因となります。B型やC型肝炎の発見や治療・予防の進歩でウイルス性肝炎が激減している現在、アルコール性の肝臓病の比重が増してきています。肝臓は比較的丈夫で多少傷んでも禁酒をすれば相当機能回復が期待できます。アルコールを控えるよう忠告された方は今からでも遅くはありません。是非とも禁酒をして、先々肝硬変や肝臓がんへ進まないよう予防してください。






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