すこやか生活

お酒と健康

 「酒は百薬の長」などと言われることもあり、古来から人間関係をスムーズにしたりストレスを晴らすなど、良い面を持つ飲食物として考えられてきました。このため、神事など多くの宗教の場でもよく使われ、有り難いものです。反面、盆や正月など、晴れの日の特別なものから、毎日安価に手に入る日常品になり、アルコール依存症やお酒で体をこわす人が増えたため、現代では社会問題にすらなっています。
 適量のお酒が体に良いのか悪いのか、本当のところは良くわかっていません。明らかなのは、度を越すと体を壊すことです。しかし、おもしろ半分なマスコミやアルコール飲料を売りたい向きが"お酒は健康に良いです。でも飲み過ぎにご注意ください。"とか、"ワインはポリフェノールが入っているので動脈硬化になりません。"という情報を流すため、「部分的に正しいことが、全て正しい」と、錯覚する人が後を絶ちません。
 そこで良くも悪くも"適量とはどのくらいか"を意識して、これらの情報をインプットしましょう。"

量とは、お酒なら1合、ビールなら350ml1本"です。純アルコールとしては20g程度が、欧米の研究を含め、健康に良いとされる適量です。そして、適量の倍以上を毎日飲むと、健康を害すことがわかっています。もちろんこれは平均的な話なので、人によっては少しぐらい余計に飲んでも大丈夫かもしれません。しかし、"俺だけは大丈夫"と、どこかで聞いたような話をうそぶく人ほど危険なのです。
 アルコールで体を壊すのは次の2つのパターンです。一度に大量に飲んで起こす、急性アルコール中毒と呼ばれる度が過ぎた酔っぱらい(急性障害)と、適量を超えて毎日飲み、高血圧、糖尿病、肝硬変などの慢性疾患に進む慢性障害です。前者は、一度にドカンと体を痛め、その後節制すれば元通りになる可能性がありますが、後者は一度健康を害してしまうとお酒を止めても元通りになるとは限りません。お酒を飲まれる方は、体を壊すこの2パターンを念頭に置いて、お酒を嗜んでください。






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