急を要する循環器の病気

1)心筋梗塞・狭心症
 心臓の血管がつまり、胸が押しつぶされたような痛みが特徴です。痛みの持続時間は概ね30分以上です。不整脈を合併したり、心不全に進むと命取りです。不整脈を確認するためには普段から脈をとり、自分の脈の規則的なリズムを知っておくと良いでしょう。また普段と違って息切れがするなら心不全かもしれません。心筋梗塞は救急車で病院へ行くべき病気ですが、胸が痛くなる病気としては、逆流性食道炎ほど多くありません。わかりにくいときはかかりつけ医を訪れて判断を仰ぐ手もあります。
 狭心症は、心臓の血管が詰まる一歩手前です。通常3〜5分程度で痛みが無くなることが特徴です。こちらは一般の外来で大丈夫ですが起こった出来事を出来るだけ詳しく医師に伝えてください。
2)乖離(かいり)性大動脈瘤
 心臓付近や、お腹の大動脈の壁に裂け目が入り、破れることがある危険な病気です。血管の縦軸に沿って裂けるので、痛みの場所が移動するのが特徴です。一般の方では判断が難しいので、原因不明のいやな感じの痛みなら、すぐに医師に診せ、その後の方針の判断を仰いでください。

3)高血圧はあわてる必要なし
 血圧が200mmHgになったと大騒ぎしている方がよくいます。しかし、200mmHgという血圧は普通の人でも起こりえます。それは、血圧は体や心の状態によって大きく振幅するため、この程度は誰にでも起こっているからです。よく聞くのは、「首の後ろが痛く心配になって血圧を測ったら180mmHgもあったので、頭の血管が詰まったのではと心配になり飛んで来た。」という、話です。これは血圧が高いため、頭が痛くなったり、血管が詰まった症状ではありません。ストレスなどで肩や首筋がこり、その結果頭が痛いと感じ、この痛みやこりが原因で、血圧が高くなったという訳です。高血圧はストレスの結果なので、頭痛の原因ではありません。こんな場合はストレスを軽減し肩こりをほぐす安定剤を飲むと、血圧はスッと下がります。頭痛と血圧はクモ膜下出血にすぐ結びつけられて大騒ぎになりますが、頭蓋内で出血し内圧が高まる頭痛は耐え難く、我慢することは困難です。バファリンなどの一般的な頭痛薬もまず効果がありません。首筋を押すようなマッサージをすると気持ちが良かったり、逆に押て痛むポイントがあるようなら、首筋の筋肉痛(僧帽筋)の可能性が高いので、ご自分で確認してください。






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