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病気には、病気の場となる臓器に構造的な異常をきたすものと、機能的な異常をきたすものがあります。 構造的な異常とはガンや潰瘍、炎症といった臓器が凸凹してくるような異常です。この構造的な異常は医学用語では器質的な異常と呼ばれます。これに対して機能的な異常とは、臓器の見てくれは全く正常なのに、その臓器の運動が過剰だったり不足がちだったり、水分や消化液などの分泌が多すぎたり不足したりすることです。 胃腸などの消化管にこれを当てはめると食道、胃、大腸のガンや胃潰瘍、潰瘍性大腸炎やクローン病などが構造的(器質的)な異常を持つ疾患です。 上記のような構造的な異常が無いのに、胸焼け、胃痛、胃もたれ、腹痛、下痢、便秘などの代表的なお腹の症状をきたすのが、機能性消化管異常症です。これらは一般に、悪化もあまりせず、命取りになることもありません。しかし、なかなか治らず慢性化し、不愉快な日々をおくることに
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なります。 機能性消化管障害を示す代表的な病気は、逆流性食道炎、アカラシア、機能性消化不良(Functional Dyspepsia ;FD)、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome;IBS)などです。これら、食道から直腸に至る機能異常が原因の病気をまとめて、機能性消化管異常症(functional gastrointestinal disorder;FGID)と呼びます。 機能性消化管異常症の診断は、症状が関係している臓器を内視鏡やレントゲン検査などで調べ、構造的な異常(器質的な異常)がないか確認し、無ければその可能性が高いと判断します。しかし、FGIDが疑われる患者さん全員に精密検査をするわけにいきません。それは、消化器内科を受診する患者さんの半数近くが該当するからです。従って、まずはこの疾患に当てはまりそうか、詳細な事情聴取(問診)が必要です。胃腸の具合が悪いと思ったら、漠然と調子が悪いと医師に伝えるだけでなく、5W1Hの要領で、いつから、どこがどのように悪いのか具体的に説明してください。
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