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秋も深まり、インフルエンザの季節が到来します。昨年度は、新型インフルエンザに振り回されましたが、今年はどのタイプが流行るか開けてみなければわかりません。冬を終えた南半球では昨年のH1N1型新型インフルエンザが流行の主流でした。冬に入る前にインフルエンザについての知識を深め、予防に努めましょう。
1)インフルエンザはこう感染する インフルエンザは電子顕微鏡でしか見えない10〜100nm程度の微生物です。微生物といっても核の中のRNAという遺伝子だけでできた「生き物のかけら」みたいなものです。このため、他の生き物に感染し、感染先の細胞の様々な機能を借用して生きています。 球状のインフルエンザウイルスの表面には2種類のピンが散在しています。一つはヘムアグルチニン(H)で、感染細胞に刺さって、中身を細胞へ押し込む注射針の役目を果たすタンパク質です。 ウイルスは細胞に刺さったままでは、次の細胞へ感染できません。そこで、細胞に刺さっているピンを切り離すハサミがもう一つのピン、ノイラミナーゼ(N)という酵素です。これらHとNの種類のよってウイルスのタイプが判別されます。例えばH1とN1の組み合わせは、2009年に大流行した新型インフルエンザ(H1N1)、
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H3とN2は香港型(H3N2)そして、H5N1は感染すると危険なトリインフルエンザ(H5N1)などです。
なお、ウイルスはノドに付くと、RNAが殻の中から、粘膜細胞に入ります。そして、その細胞がタンパク質などを作る遺伝子経路にはまりこみ、RNAの増殖とウイルスに必要な物質を細胞に作ってもらいます。そしてできあがったRNAはノドの表面で再びウイルスを含んだ殻に入れられ、ゴホンという咳で体外へ飛び出し他の人に飛び移ります。
2)ウイルスの変異とは? インフルエンザウイルスの種類は一般に、このH?N?の2つで表現されます。ウイルス遺伝子は頻繁に変異を繰り返し、少しずつ形を変えたウイルスが出回ります。具体的に言うと同じH1N1でも今回の新型インフルエンザと、"元スペイン風邪"のH1N1ウイルスは全く異なります。 この変異は、ウイルスが環境に適応して生き残るための方便です。例えば抗ウイルス剤に対抗するためにの変異が有名です。かつて用いれていたアマンタジンという抗インフルエンザ薬は、豚など家畜の飼料に混ぜられ広く使われたため、現在ではほとんどのインフルエンザが遺伝子変異による耐性(抵抗力)を持っています。 2年前にタミフル抵抗性のB型ウイルスも流行しました。今年また流行ると言われているH1N1新型インフルエンザの多くは、現時点ではタミフル抵抗性をもっていないようです。
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