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上記の正常値は、日本人の平均的な値を求めたわけではありません。コレステロールの正常値は、動脈硬化による合併症(狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など)を起こしにくいのはこの範囲で、これを越えると合併症の確率が増えますよという値です。もちろんこの値をほんの少し越えるとすぐ合併症が起こるわけではありません。しかし、高い値が長期にわたると徐々に動脈硬化が進みます。脂肪の値は高齢になると徐々に上がります。高齢者では動脈硬化の合併症は避けられません。不老長寿が可能ならそれに越したことはありませんが、現在の医療では不可能です。したがって、高齢者の高脂血症はある程度容認し、負担をかけない対応をしなくてはなりません。
上記の表が高齢者の目安になります。これらの目安も絶対的なものではありません。また、糖尿病、高血圧をもっている方、心筋梗塞、脳梗塞などを過去にやっている方は動脈硬化が進みやすいか、すでに進んでいます。これら合併症をすでに持っている方のコレステロールを下げる場
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合は、基準値の上限ぎりぎりでは不充分です。総コレステロールで200以下など余裕を持って基準値をクリアする必要があるのです。
中性脂肪はコレステロールと異なり変動幅の大きい指標です。早朝空腹時に調べた値以外は余り参考になりません。軽い朝食をとったり、早朝空腹時でも前日宴会で飲み過ぎたり食べ過ぎたりすると、高い値を示すことがあります。コレステロールは基準値上限の2倍以上の方はほとんどいませんが、中性脂肪は2倍、3倍の方をよく見ます。食後に採血した場合はほとんど倍近い値を示します。中性脂肪が高いと言われたら、正しい条件で再検してみて下さい。基準値はあくまでも目安に過ぎません。画一的に当てはめず、各個人の状況に応じて柔軟に対応すべきものと考えていますので、これをお読みの方も血液中の脂肪の値を冷静な眼で見ていただきたいと思っています。
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