ステロイドは様々な働きがありますが、医療の場で最も多く使われる目的は、炎症を鎮める働きです。この抗炎症作用の働きを中心にステロイド薬の治療への使われ方をまとめます。 1)ステロイド内服・点滴など全身投与
人の副腎は一日あたり、プレドニゾロン(PSL)換算で約5mgほどのヒドロコルチゾンを分泌しています。PSLは、膠原病、リウマチ、喘息その他多くの全身的な炎症を鎮めるために用いられています。全身投与は強力で、実に多くの病気や症状に有効ですが、5mgを越えて長期間使うと、自分の副腎がサボり始め、自前のステロイドを作らなくなります。こんな時に、急にステロイドを止めると体がステロイド不足に陥り、反対に炎症が強まることがあります。
内服のステロイドは数週間使い続けると、使用量によって前述のような副作用が出る場合があります。このため、必要最小限をできるだけ短期間使うことが原則です。炎症がこじれている場合は長期間じっくり使うのが基本です。長期間使わざるを得ないときは、突然止めると反動で病状が悪化することがあるため、ゆっくり減らしていきます。
悪い流れを断ち切ったり流れを変えるため、思い切って多めの量を使用し、早めに手じまいする場合もあります。軽めの病気から、花粉症やアレルギー性鼻炎の重症例で使うセレスタミンやメドロール。喘息の発作時やリュウマチの関節炎が抗リウマチ薬で改善する場合つかうプレドニゾロンなどです。
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