ステロイドの分泌は、脳下垂体から分泌されるACTHというホルモンで調節されています。分泌が足りないときはACTHが増え副腎を刺激して分泌を促し、多すぎるときはACTHが減り、ステロイドの分泌が抑制されます。
ステロイドの分泌には日内変動のリズムがあり、深夜から朝方に分泌が増え、午後以降は徐々に減って、夕方ごろ最低となります。活動に備えるときは分泌が増え、休んでも良い時間になると減るわけです。
副腎から分泌されたステロイドホルモンは、タンパク質と結合して血液で全身に運ばれます。タンパク質から分離されたステロイドは油なので、各部位の細胞の油膜でできた細胞膜を通過し、細胞内に入ります。細胞質内でグルココルチコイドレセプター(GR)という受容体と結合し、細胞の核に入ります。核内に入ると遺伝子(DNA)に情報を送り、体内の調節に必要なタンパク質を合成します。これらのタンパク質の働きを通じて、ホルモン特有の働きを演じます。
使われなかった血液中のステロイドは肝臓を通過するときに分解され処理されます。このため、肝臓の働きが悪い肝硬変では、性ホルモンを含めたステロイドの分解が進まず、ホルモン過剰な状態となります。
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