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コール、糖尿病など生活習慣病にも時々併発します。
 原因にかかわらず心不全が悪化すると心房細動の併発が増えます。交感神経が緊張する甲状腺疾患や喘息治療薬の気管支拡張剤(キ

サンチン系やβ刺激剤)の影響でもときどき見られます。
 逆に、比較的若い男性では、食後、飲酒後、夜間など副交感神経が緊張するときに出る心房細動もあります。

ワーファリンで血栓予防を

 心房細動による血栓予防はワーファリンが主力です。血液を固めるには、パッチの働きの血小板と、糊の働きを持つ凝固因子が必要です。凝固因子はビタミンKの働きを借りて肝臓で生成されますが、ワーファリンはこの生成過程を邪魔します。凝固因子が不足すると血液が固まらず、結果として血栓ができるのを防ぎます。心房細動では主にCHADSスコアで、2点以上ならワーファリン治療が推奨されています。  
 ワーファリンの効果は、血液中の凝固因子の量や働きを測る、プロトロンビン時間(PT-INRの値)で確認します。人によって必要量が異なるため、PT-INR値を見ながらワーファリン量を調節します。日本人におけるPT-INR値の目安は1.6〜2.6

です。この値は同じ量の薬を飲み続けていても変化する場合があるので1〜2ヶ月程度に一度確認が必要です。
ワーファリンを服用すると出血のリスクが増えます。普段からけがをしないような生活態度が必要です。手術など出血しやすい場面では、一時的に休薬したり、ビタミンKの服用で凝固因子の増加を目指すこともあります。最近では抜歯や白内障の手術、内視鏡検査時はワーファリンを続行することが多くなりました。しかし、内視鏡検査でもポリープを切除する場合は前もって薬を止めたり
PT-INR1.5以下になるよう調節したり、アスピリンの中止が必要です。不安な時は前もって相談してください。






CHADSスコア

・2点以上は、ワーファリン治療
・1点は、アスピリン又はワーファリン
・0点は、アスピリン
・生活習慣病の治療も大切です

心房細動と脳梗塞
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