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健診などでは尿検査が行われます。採尿した検体は、何種類かの項目を調べることができるテープを浸して、尿中の成分を調べます。リトマス紙のようなものです。 タンパク タンパクは普通の人でも一日あたり150mg程度、尿に出ます。判定は±、+、++、+++などです。糸球体から漏れ出るタンパクは糸球体腎炎、糖尿病性腎症などが原因です。一日3.5g/日なら、ネフローゼ症候群と呼ばれます。尿細管障害で低分子のタンパクが再吸収できず尿に出る、尿細管性タンパク尿もありますが、こちらは概ね1g/日以下です。多発性骨髄腫で尿に出るベンスジョーンズタンパクは、テープで検出しにくいこともあります。 糖 ブドウ糖は元々分子量が小さいので、糸球体を通過し原尿へ出てきます。しかし、そのほとんどが尿細管で再吸収されるため、通常、最終的な尿に糖が出ることはありません。 尿細管での吸収能力を超えるブドウ糖が糸球体から漏れ出てくると、再吸収できなかった糖が尿に溢れでます。通常、血糖値160〜180mg/dl以上になると、尿糖が出現します。 血糖値が高くなくても尿細管での再吸収力が低下すると尿糖が出ます。腎性糖尿と呼ばれる状態がこれです。腎性糖尿は本当の糖尿病ではないので治療の必要はありません。 なお、ビタミンCの摂りすぎで尿糖が偽陰性になることがあります。 潜血反応 尿に含まれる赤血球の血色素(ヘモグロビン)を検出しています。尿に血液の混じる尿路結石や癌などの悪性腫瘍、膀胱炎などの感染症を発見するきっかけになります。ただ、きっかけはきっかけな
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ので、具体的な原因については別の検査が必要です。 その他、糸球体障害を起こすIgA腎症などの慢性腎炎でも潜血反応が陽性となります。 腎、尿路系以外では、溶血と呼ばれる赤血球が血管内で壊れてしまう場合も、その成分のヘモグロビンが尿に出てきます。また、筋肉が急に壊れてしまう、横紋筋融解症などの病気でもミオグロビンと呼ばれるヘモグロビン類似の物質が尿に出るため、潜血反応が陽性となります。 ウロビリノーゲン 赤血球の分解産物であるビリルビンがさらに変化した物質がウロビリノーゲンです。正常でもある程度尿中に存在するため、検査結果ではN(正常 normal)または、±として表示されます。処理できない血中のビリルビンが増える肝炎などの肝障害、溶血などビリルビンの増加、ビリルビンの腸内での停滞などで増加します。このため、肝炎発見のきっかけになる場合がありますが日内変動も多く、自覚症状や他の検査の結果と併せて総合的に評価する必要のある検査です。 ビリルビン ウロビリノーゲンと同様に、肝炎などの肝障害、胆石症などの胆道疾患の時に、ビリルビンが血中に増加し、尿中にも検出されます。赤血球が壊れてできた間接ビリルビンが肝臓を通って代謝されると、直接ビリルビンに変わり、尿中にでやすくなります。溶血などで肝臓を通らないビリルビンが増える場合は、あまり尿中で増加しません。ウロビリノーゲンと同時に調べて比較すると情報として有意義です。 白血球反応 白血球の中の好中球に含まれるエステラーゼという酵素を検出する反応です。好中球は最も多い白血球で、細菌感染があるとその場に出動し、細菌を食べて処理する働きが
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