下痢の仕組み




下痢は水分の多い便を排泄することです。下痢を起こす仕組みは図のように、
1)消化吸収障害
2)分泌亢進
3)運動亢進
によって起こります。これらをより深く掘り下げてみましょう。

1)消化吸収障害
胃腸での消化、吸収が低下して下痢を起こすものです。胃を切除したり膵臓病を煩って消化酵素の分泌が低下して消化力が落ちたり、小腸を切り取る手術をして腸が短くなり、吸収力が低下して起こります。

2)分泌亢進
様々な原因で腸に炎症をきたし、その粘膜から水分や塩分、タンパク質などが漏れ出てきて便が水っぽくなるものです。代表的なものは細菌やウイルスによる感染性腸炎です。生ガキなどの食べ物にあたって下痢をするのがこれです。

3)運動亢進
腸の運動が活発になりすぎて、食べたものを充分に消化、吸収する間もなく大腸、

直腸に送り、水っぽいまま出してしまう状態です。ストレスによる、過敏性腸症候群や甲状腺機能亢進症による腸の動きすぎが代表です。

下痢の仕組みを分解して説明しましたが、実際は図のようにこれらの原因が歯車のように組み合わさって下痢を起こします。たとえば暴飲暴食で下痢する場合はこうです。消化の悪いものを大量に食べて消化吸収不良を起こしたうえ、腸炎を合併して分泌亢進も加わり、おまけにお腹を冷やして腸を刺激し、運動が活発になってしまう などです。
下痢は急激に来ると水分と塩分が体外に出てしまい体のバランスを崩します。下痢をした後かったるく感じるのはそのためです。長きにわたると、栄養不足になってやせてきます。比較的短期でも炎症や出血が強いとタンパク質が不足します。仕組みを理解し、原因に即した対応が下痢には必要です。

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