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高血圧治療ガイドライン

 4年半ぶりに高血圧ガイドラインが改訂されました。ガイドラインとは、日本中の医師が高血圧の治療を行うにあたって、最も参考にする道しるべです。従って、新しいガイドラインが出ると、むこう数年にわたって、この道しるべに沿った高血圧の治療が行われると予想されます。
 2004年のガイドラインでは、血圧の値により高血圧の呼び名が細分化されました。また、動脈硬化や臓器障害の程度によってリスクの度合いを見極め、高血圧のリスクに応じて血圧の治療を考えていこうという方針が打ち出されました。
 2009年の改訂では、この方針をより推し進めたものになっています。特徴は、正常高値血圧と言われる130-139/85-90 mmHgの方々でも、臓器障害や、糖尿病の有無、メタボリックシンドロームなどの状況に応じて、血圧の治療が必要となるリスク群に加えられたことです。これは、とりもなおさず血圧治療の対象者が拡大することを意味しま

す。また、降圧目標の細分化が進み、どのような患者さんにはどこまで血圧を下げた方がよいかという詳細な指針が出てきました。そして、高血圧でもその人の持つ病気や臓器障害のバックグラウンドに応じて、推奨される薬のタイプが提示されました。
 これらは概ね、日本や海外で行われた"治験"と呼ばれる高血圧治療の大規模なデータ解析による結果を分析してまとめられたものです。従って、患者さん一人一人がこの指針にそのまま合致するとは限りません。似たような高血圧の方を千人、万人集めてガイドラインどおりに治療すると、心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性の合併症を起こす確率がやや少なくなるというだけのことです。
 以上、何となく曖昧な総括ですが、リスクの軽い人まで拾いながら治療し、日本人全体の高血圧に伴う合併症を少しでも減らしていこうというのが今回のガイドラインの趣旨です。






高血圧治療ガイドライン2009
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