すこやか生活

第10巻5号 

ページ3

上気道の症状

鼻の症状
@気道狭窄
--鼻づまりとして感じます。慢性的につまっていて口呼吸が当たり前になっている人は自覚がない場合も多いようです。鼻づまりがひどいと、鼻水はノドへ垂れる後鼻漏となりノドの痛みとして感じることもあります。フンフン鼻を鳴らしたりズルズル鼻をすするのは鼻がつまっている症状です。鼻づまりがひどいと呼吸時の空気の流れが変わりイビキの原因になることもあります。
A炎症
a)感染
--ウイルスなどの感染症はまず鼻の粘膜に付着し次第にノドへと進みます。微生物が付着すると鼻粘膜に炎症を起こしますが、鼻腔は開放空間なので、化膿するなどひどい炎症を起こすことは希です。むしろ感染は鼻から奥の副鼻腔やノドに広がったり、耳管を伝って中耳炎や涙管を遡って結膜炎という形で出ます。黄色い鼻汁が出たり、鼻をすすると黄色い痰が出る場合は副鼻腔炎の併発を考えてください。
b)アレルギー
---花粉症などアレルギー性鼻炎が代表です。クシャミ・鼻水・鼻づまりが特徴です。クシャミは鼻粘膜のイライラ感が刺激になってクシュンとでます。鼻汁はサラサラして粘りけが少なく、透き通っています。これが黄色く粘りけを帯びたらこじれて細菌による炎症を合併してきた可能性があります。典型的なアレルギーでは鼻粘膜が白っぽく腫れると言われていますが、赤みを帯びていることもあり、一様ではありません。
ノドの症状

@気道狭窄--ノドといっても上から下まであります。ノドは食べ物も入るので、他の気道より広く、入り口と出口のみ狭窄を起こす可能性があります。ノドの狭窄は入り口は扁桃腺が腫れた場合で、出口は声帯付近が腫れた時です。扁桃腺は溶連菌やEBウイルス(伝染性単核球症)などで腫れます。ノドの痛みで飲み込めなくなったり、鏡で扁桃の荒れを確認したり、下顎の内側の腫れを自覚すればわかります。声帯付近の腫れは、"声がれ"としてでます。自分では気づかないこともあり、家族や同僚から指摘されたりします。腫れがひどいとノドの奥がむくんで息ができないこともあります。喉頭浮腫と呼ばれ、ソバアレルギーなど急性の強いアレルギー反応ででます。
A炎症
a)感染
--扁桃炎など強い腫れを起こすものの他、インフルエンザなど上気道の粘膜で増える微生物の感染が一般的です。ノドを覗くと、粘膜が真っ赤にただれています。ズキズキしたり、焼けたような痛みがあり、熱が出るのも特徴です。
b)アレルギー
--鼻と同様にイガイガしたりイライラと痒い症状が中心です。アレルギーはノドにだけ出ることはなく、鼻アレルギーも同時進行です。後鼻漏と呼ばれる鼻汁がノドに垂れてノドの違和感の原因になります。ノドの粘膜の炎症は軽いので感染症と比べてノドの赤みもごく軽度です。鼻とちがって分泌物が少ない場所なので、鼻汁に相当するものはなく、少量の痰がでる程度です。






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