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秋も深まりカゼのシーズンが到来します。カゼと言っても鼻カゼ、インフルエンザを含めたウイルス感染症、溶連菌などによる扁桃炎など様々な上気道炎があります。また、カゼだと思って油断していると気管支から肺まで炎症が広がり、気がついたときには肺炎になっていたなど、笑えない事態になる人もいます。 上気道炎という言葉の対には下気道炎があり、上気道炎をこじらして起こる気管支炎や肺炎を指します。上気道と下気道はつながっているので、炎症が併発するだけでなく、症状が似通っていて判別がつかないこともあります。今回は上下の気道の病気で生ずる様々な症状をわかりやすく分類し、各々のイメージをつかんでいただきます。イメージがわけば、自分の病気がどのレベルなの判断でき、こじらせる前に対応できます。 さて、上気道は鼻、口、ノドで下気道は気管支〜肺です。上下の境界はノドの声帯部分です。声帯の上には喉頭蓋というフタがあり、食べ物を飲み込むと下気道の入り口を覆います。空気を吸うとフタが上がり、気管支への入り口が開きます。空気だけでなく飲
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食物などが入ってくる部分が上気道で、空気以外が入ってはならないのが下気道です。これらの気道にウイルスや花粉その他、様々な物質が入り炎症を起こした結果がカゼなど気道の病気です。 上気道は鼻とノドですが、鼻は鼻腔だけではありません。鼻腔からトンネル(トンネル名)でつながる副鼻腔、中耳(耳管)、目(涙管)なども鼻の炎症が波及する上気道の延長です。ノドは目で見える口の突き当たりや扁桃腺だけでなく、声帯のある首付近までを含みます。なお、鼻とノドはつながっているので鼻の炎症の悪影響がノドに及ぶこともよくあります。 下気道は胸板の裏にある気管、左右の肺へ分かれる気管支、細かい枝の細気管支を経て肺へと続きます。なお、上気道と下気道は声帯で区切られていますが、空気の出入りは常にあるため構造上は分かれていても機能的にはつながっています。このあたりは、皆さんだけでなくわれわれ医師も錯覚しがちなので、上気道と下気道の区切りを厳密に考えすぎず、むしろつながっていることをイメージして考えた方がよいでしょう。
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