抗ウイルス剤

 ウイルスは人の細胞内に入り、DNAやRNAの複写過程に入り込み増殖します。体細胞に入り込んでウイルスだけを殺すことは至難の業で、現在のところごく一部のウイルスに対してしか開発されていません。ただ、近年HIVウイルスが、先進国ではアメリカを中心に広まり、世界的な問題となっているため、これに対する薬の開発が活発化しています。そのおこぼれというべきか、肝炎ウイルスに対する薬を中心に、多くの抗ウイルス剤も出てきました。
ヘルペス治療薬
 水ぶくれが唇や口内にできる単純疱疹、水ぼうそう、帯状疱疹などヘルペス疾患に有効な薬。バラシクロビル(バルトレックス)やアシクロビル(ゾビラックス)など。ウイルスの勢いは収まりますが、全滅させることはできません。

インフルエンザ治療薬
 タミフル、リレンザなど。元々時間が経てば自然に体内から排除されるウイルスですが、自分の免疫力と薬との共同作業によって、素早くウイルスを減らすだけではなく、完全に排除します。
その他、多数のHIV-1感染症治療薬、エンテカビルなどのB型肝炎治療薬、リバビリンなどのC型肝炎治療薬、ガンやHIV感染者に見られるサイトメガロウイルス治療薬のガンシクロビルなどがあります。


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